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内田篤人を鹿島恩師&ブラジル勢も敬愛 マルキーニョス「アツは特別なアミーゴ、兄弟だ」
posted2020/09/28 11:50
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Toshiya Kondo
2006年に清水東高校を卒業して17歳で鹿島アントラーズへ入団した内田篤人は、シーズン前の宮崎キャンプでブラジル人のパウロ・アウトゥオリ監督に高く評価され、3月5日のJリーグ開幕戦(対サンフレッチェ広島)に先発フル出場。以後も、シーズンを通して試合に出続けた。
高卒新人が強豪クラブでレギュラーを張るのは、日本のフットボール史上、極めて稀である。抜擢したアウトゥオリ(現ボタフォゴ監督)は、こう述懐する。
「宮崎キャンプで彼を見て、目を見張った。敏捷でテクニックがあり、クロスの精度が高い。気持ちが強く、どんどん前へ飛び出していく。守備も悪くない。
当時、日本人のサイドバックは守備を気にするあまり、攻撃参加に消極的なタイプが多かった。でも、アツトは違った。まるでブラジル人のようにアグレッシブで、失敗を恐れず、伸び伸びプレーする。
先輩からのアドバイスを素直に聞く一方で、萎縮している様子はない。若さに似合わず人間としてバランスが取れており、誰からも好かれていた。これほどの逸材を起用しない理由はどこにもなかった。驚いた人もいたようだが、私は自分の判断に自信があった」
アウトゥオリからオズへの“引継ぎ”
アウトゥオリは、2006年限りで鹿島を退団。2007年から指揮を執ったのは、やはりブラジル人のオズワルド・デ・オリヴェイラだった。
「就任前、パウロからクラブやチームの状況について説明を受けた。内田については『若いが、能力的にも人間的にも非常に頼りになる。いずれチームの屋台骨を背負う存在になれる男だから、大切に育ててほしい』と言われた。
実際に彼を見て、アウトゥオリが言ったことの意味がよくわかった」