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阿部慎之助ヘッドコーチ代行は原監督の“やりたい放題”!? 勝利と人材育成は両立するか
posted2020/09/18 11:50
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
KYODO
言葉は悪いが「やりたい放題」である。
巨人は元木大介ヘッドコーチが虫垂炎で入院したことを受け、9月16日の阪神戦から急遽、阿部慎之助二軍監督を一軍のヘッドコーチ代行に引き上げ、村田修一・二軍野手総合コーチを二軍監督代行とする臨時の配置転換を行った。
元木ヘッドの病欠による異例の人事だった。
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ことの経緯はこうだった。
16日の朝に元木ヘッドが腹痛を訴え、病院で検査の結果、虫垂炎であることが判明。医師の判断により入院して手術をすることになった。この経緯が原辰徳監督に報告されたのが、午後1時半過ぎ。そこで原監督が阿部二軍監督のヘッド代行を即決した。
通常なら代行を置くとすれば一軍スタッフの中から
「今日(東京ドームに)来てから、トレーナーと(元木)ヘッドが来て『ちょっとこういう訳で手術する』ということで、よし分かった、と。一つ体の方を大事に、ということでそこからですね。13時半くらいじゃないでしょうか。それで二軍の監督代行に関しては村田に任せるということで」
これで急遽、この日神奈川・平塚球場でナイターのDeNA戦を予定していた阿部二軍監督が東京ドームに呼ばれることになったのだという。
ヘッドコーチが病気で、ある期間ベンチに入れなくなった訳だが、通常なら代行を置くとすれば一軍スタッフの中からそれ相応な人物が選ばれるのが対処法だ。
今の一軍スタッフを見回せば吉村禎章作戦コーチという打ってつけの人物もいる。それで十分のはずだろう。またあえてヘッドコーチの代行は置かずに、元木コーチが欠けたままで何試合かを消化するという考えもあるだろう。
しかしわざわざ二軍監督を呼び寄せ、一軍のヘッドコーチ代行に据える。そこにはそれなりの意図があり、何らかの思惑がなければありえない配転であることは間違いない。