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MLSがリーグMX合併で巨大リーグに 北米サッカー界で起きている激震 

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トマン・グバン

トマン・グバンThomas Goubin

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posted2020/09/09 07:00

MLSがリーグMX合併で巨大リーグに 北米サッカー界で起きている激震<Number Web> photograph by L'Equipe

メキシコのトップリーグ・リーガMXのエンリケ・ボニラ代表(写真左)とMLSのコミッショナーであるドン・ガーバー。両者の利害は完全に一致したようだ。

アメリカ市場はまだまだ伸びる

 リーガMXのふたつのクラブ、アトラスとサントス・ラグナのオーナーであるアレハンドロ・イララゴリは、新しいリーグ構想に大きな期待を寄せている。

「MLSは順調に発展している。その市場は広大で、サッカーへの関心は高まっている。今こそ北米リーグの創設を考えるべきときだ。それは両者(メキシコとアメリカ)にとって大きなメリットがある」

 たしかにイララゴリの場合は、彼が所有するアトラスが、この措置により降格を免れるという恩恵を受けた。

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 両国にとって大きなメリットがあると考えている人間は、実際にとても多い。そう考える勢力は、イララゴリがしばしばスポークスマンの役割を務めるメキシコサッカー協会においても多数派を占めている。

リーグ合併の障害はどんなものがあるか?

 一方、MLSからの公式コメントは何もないが、コミッショナーを務めるドン・ガーバーは、すでに昨年の時点で北米リーグの創設は「強力な力になる」と語っていた。またある有力クラブの会長も、統合は「ポジティブな側面しか考えられない」と、匿名を条件にコメントしている。

 実際、統合に向けての動きはスタートしている。

 2018年には2026年ワールドカップ開催のためのパートナーシップが、アメリカとメキシコ、カナダの間で締結された。目的は「北米におけるサッカー人口を増やすため」であるとガーバーはいう。そしてこのパートナーシップから昨年生まれたのが8チームによるリーグスカップだった。その第2回は、コロナ禍さえなければ規模を2倍の16チーム――参加資格はそれぞれのリーグの成績による――に拡大して、この7月21日に開幕するはずだった。

「リーグカップはふたつのリーグをひとつにしていくための第一歩だ」とガーバーは語っている。

 ただ、リーグ創設までには障害もまた多い。

 その第一がカレンダーのすり合わせで、リーガMXが年2シーズン制であるのに対し、MLSは3月から10月までの1シーズンである。

 ロジスティック面の整備も課題で、アメリカ東部からメキシコまでの移動は、東部からヨーロッパへの移動よりも距離が遠い。

 また規約の統一も必要だが、この点でメキシコ側のオーナーの一部は、MLSが施行しているサラリーキャップ制に好感を抱いている。

【次ページ】 アメリカ側は新たな客層の獲得を見込んでいる

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