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全英女子は世界ランク304位が優勝!
上田、畑岡、渋野らの苦闘の痕跡。
posted2020/08/24 12:10
text by
南しずかShizuka Minami
photograph by
R&A via Getty Images
今季最初のメジャー「全英女子オープンゴルフ」が幕を閉じた。
優勝は7アンダーのソフィア・ポポフ(ドイツ)。日本勢は7選手が出場し、上田桃子6位、野村敏京22位タイ、畑岡奈紗64位タイ。連覇が期待された渋野日向子、そして河本結、勝みなみ、稲見萌寧らは予選落ちした。
昨年、渋野日向子が制したウォーバーンGCは、イギリス・ロンドン近郊の林間コースだった。今年の舞台は、スコットランド南西部に位置するロイヤルトゥルーンGC。同じ全英女子といえども、全く異なるリンクスコースである。
リンクス特有の海風、どこに転がるか予想しづらい硬い地面、無数に存在する深いポットバンカー、ラフに生い茂った刺々しいゴース……今年はスコットランドらしい難コースだった。
「地元だから、リンクスが大好き」という'18年の全英覇者のジョージア・ホール(イングランド)が、リンクスの攻め方を試合前に語っていた。風の影響を最小限にとどめるには「ボールを強く打たないことが重要です」。強く打つとボールのスピン量が増えて、風に流されやすいからだ。
「なるべく低い弾道のボールを打つこと。クラブを短めに持ち、コンパクトに振ることも大事です」
だが予選ラウンドは、小さい時からリンクスに慣れ親しんできたホールでさえも苦戦する大荒れの天気となった。大会初日の最大風速18メートル。台風並みである。
大会側は悪天候を考慮して、距離を短くするためティーボックスを前方に移動したり、グリーンの芝を刈ることを控えた。
「もしグリーンを刈っていたら、(風で)ボールが動いて(試合が)一時中断したと思います」(ホール)
リンクスと荒れ狂う風に、選手は翻弄された。
上田「普通の番手より40~50ヤードぐらい落ちている」
大会初日を終えた上田は、コンディションの厳しさを教えてくれた。
「自分1人だけだったらパニックになりそうなくらい難しかったので、(キャディを務めた辻村明志コーチ)の2人で1つぐらいのパワーだったと思います」
試合前は天気が良かったため、練習ラウンドは全く参考にならなかったという。
「普通の番手より40~50ヤードぐらい落ちているんですね。コースを知るより(自分のディスタンスを)把握することが難しかったです」
予選カットライン9オーバーは、'09年に並んで大会史上最も低かった('09年はパー72、今年はパー71)。