話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
窮地のJ1湘南が息を吹き返すには?
「悪くないのに勝てない」は深刻だ。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE
posted2020/08/23 08:00
「勝ち点を取ることが重要だ」と語る金子大毅。低迷する湘南で力を存分に発揮できるか。
シンプルに戦うことが求められる。
かつてジーコが代表を率いた時、ドイツW杯最終予選で苦しい試合がつづいた。キャプテンの宮本恒靖は選手個々には「球際を厳しくいく」こと、チームとしては「守備から入り、失点を抑える」ことを徹底した。シンプルにやるべきことを徹底することで、選手に迷いがなくなった。迷いがなくなるとプレーに勢いと厳しさが出てくる。それが攻撃にもいい影響を与え、危機を乗り越えた。
湘南は、持ち味のカウンターに加え、遅攻にも取り組んでいる。
だが今は、しっかり守り、カウンターで点を取ることに徹する。個々は球際で負けない。そういう原点に戻ってみることも必要だ。シンプルな指示をしっかり守り通すことができれば「やれた」と自信の回復にもなるし、少なくとも相手にいいようにやられることはなくなるだろう。
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次は、FC東京戦だ。
「内容が良くても悪くても勝ち点を取ることが重要だと思います」
金子はそういったが、そのためにもシンプルに戦うことだ。
そうして勝ち点を奪い、チームと選手個々の自信を回復することができれば、まだ湘南が息を吹き返すチャンスは十分にある。