熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
本田圭佑リーグ連続出場の評価は?
待ち受ける過酷な日程と大移動。
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byAFLO
posted2020/08/18 07:00
移籍後半年を経てのリーグ戦デビューとなった本田圭佑。過酷な日程の中で存在感を見せられるか。
ボタフォゴは中盤を支配された。
欧州チャンピオンズリーグ準々決勝でアトレティコ・マドリーを倒して4強入りしたRBライプツィヒの小型版――そう感じるようなモダンなプレーを随所に見せ、ボタフォゴを圧倒した。
前半6分、ボランチのマテウス・ジェズスが左へ流れると、マークに付いた本田の体当たりをものともせずにヒールで流す。これを拾った選手が絶妙なクロスを入れ、その折り返しをCFアレハンドロが押し込んでブラガンチーノが先制した。
その後もブラガンチーノは中盤を支配して再三、決定機を作った。後半の立ち上がりもブラガンチーノが立て続けに強烈なシュートを枠内に飛ばすが、ボタフォゴのGKガチット・フェルナンデスが辛うじて防ぐ展開となった。
ボタフォゴのパウロ・アウトゥオリ監督は、左サイドの守備を立て直すべく、本来は左サイドバックのギリェルメ・サントスを左MFの位置に入れる。この選手交代で守備の穴が塞がれ、攻撃も徐々に活性化し始めた。
「ブラジルに慣れつつあるところ」
一方、ブラガンチーノは中2日の試合とあって、後半の途中から運動量が落ちていった。
20分、ボタフォゴはギリェルメ・サントスが左サイドを突破してクロスを入れると、CFマテウス・バビが長い足を伸ばして押し込んだ。
その後はブラガンチーノが再び攻勢を強めたが、ボタフォゴは33分、左足首を痛めた本田に代えてCBを投入し、辛うじて引き分けた。
結果的に、ボタフォゴがアウェーで勝ち点1を手にしたのは上出来だった。しかし、試合内容では明らかに劣勢。GKフェルナンデスの再三の好守がなければ、大差で敗れていたかもしれない。
試合後、アウトゥオリ監督は「我々はまだチーム作りの途上にある。勝ち点が取れたのが重要だった」と語り、厳しい試合だったことを認めた。また本田については、「ブラジルのフットボールに慣れつつあるところ」とコメントした。
本田は、頑強な体を生かして対人守備には強さを発揮したが、サイドへ流れた選手をつかまえるのに苦労していた。先制を許した場面が、その典型だった。