熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
本田圭佑リーグ連続出場の評価は?
待ち受ける過酷な日程と大移動。
posted2020/08/18 07:00
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
AFLO
「試合を通じて中盤の低い位置でプレーし、守備に追われた。攻撃面での貢献は乏しかった」
8月12日、三浦知良に次ぐ2人目の日本人選手としてブラジルリーグ1部でプレーした本田圭佑に地元メディアが下した評価である。
フットボール部門が設立されてから116周年のこの日、ボタフォゴはアウェーでRBブラガンチーノと対戦した。
今季のリーグ初戦だったが、実は第2節。9日にホームで第1節を戦うはずだったが、対戦相手のバイアが州選手権決勝に進んで日程が重複したため延期されたのだ。
2月初めに入団して3月中旬以降、リオ州選手権(後期)で4試合プレーした本田にとっては、これがリオ州以外のチームとの初対戦だった。
キャプテンマークを巻きボランチに。
ブラガンチーノは、サンパウロ郊外に本拠を置く中堅クラブだ。1990年代にブラジル1部で奮闘したが、経営難から一時は3部まで転落。しかし、2019年に世界的飲料メーカー・レッドブルが経営権を獲得すると、潤沢な資金を投入して強化を進めた。昨年、アントニオ・カルロス・ザーゴ(現鹿島アントラーズ監督)が率いたチームが2部を制覇し、22年ぶりに1部へ復帰した。
今年の州選手権で強豪のパルメイラス、サンパウロFCを倒すなど力をつけており、リーグ第1節ではアウェーで名門サントスと引き分けている。今季は20チーム中10位前後の成績が予想されており、中位から上位を目指すボタフォゴにとって格好の試金石となる試合だった。
ボタフォゴのフォーメーションは、4-2-3-1。本田はキャプテンマークを巻き、21歳のカイオ・アレシャンドレとダブルボランチを組んだ。なおトップ下はブルーノ・ナザリオで、CFには23歳の長身マテウス・バビが入った。
ブラガンチーノは序盤、高い位置から強烈なプレスをかけてボールを奪うと、少ないタッチで高速パスを交換して中盤を制圧。後方から飛び出してきた選手が果敢にスペースへ走り込み、縦パスを引き出してゴールへ迫った。