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スポーツクライミング原田海の挑戦。
五輪に専念より、目の前のことを。

posted2020/08/19 07:30

 
スポーツクライミング原田海の挑戦。五輪に専念より、目の前のことを。<Number Web> photograph by Shunsuke Mizukami

text by

石井宏美

石井宏美Hiromi Ishii

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photograph by

Shunsuke Mizukami

「子供の頃はサッカーや陸上など様々なスポーツをやっていたんですが、徐々にチームスポーツに向いていないことを悟って(笑)。ボルダリングやリードは練習でも同じ課題を繰り返し登ることがないし、大会ではどんな課題なのか直前まで分からないのがいい」

 我が強く、好奇心旺盛な性格が、スポーツクライミングという競技にマッチしていると自己分析している。

 原田海の最大の持ち味は指先で全身の体重を支え、ホールドを保持する力だ。特別なトレーニングを行っているわけではないという。クライミングに直結する力は、日々のトレーニングで課題と向き合い、登ることでしか養われないという考えが彼のベースにある。

 2018年世界選手権の男子ボルダリングでは、初出場にして初優勝の快挙を成し遂げた。

「それ以前は他人の結果をむちゃくちゃ気にしていて、世界選手権1カ月前の大会では優勝を意識しすぎて、結果はもちろん、思うような登りもできませんでした。その反省を生かし、世界選手権ではまずは自分の登りをすることに集中したんです。結果、優勝して自信もついた。目の前の課題に対してベストを尽くすこと、それが自分のスタイルだということも再確認しました」

オリンピックだけが目標ではない。

 スポーツクライミングは東京五輪代表の選考ルールの解釈をめぐり係争中だ。原田も代表候補に名を連ねているが、今は自身がやるべきことに注力している。

「オリンピックだけを目指しているわけではありませんし、目の前のことを1つずつ考えるタイプなので。ただ、代表に選ばれたなら金メダルを獲りにいきたい」

 そんな原田がリスペクトしてやまないのが、昨年、現役生活を退いたイチローだ。

「生き方が好きで。人に左右されず、自分のスタイルを貫く姿勢も、イチローさんの影響が大きいのかも」

原田海Kai Harada

1999年3月10日、大阪府生まれ。10歳の頃にスポーツクライミングを始める。2018年世界選手権ボルダリング種目で日本史上2人目の金メダルを獲得。昨年8月の世界選手権コンバインドでは4位。今年2月のボルダリングジャパンカップで初優勝。168cm。

メンタル・バイブル2020

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