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松山英樹、全米プロ終盤3連続バーディも今季初メジャーは22位タイ。今後に繋がる逆境でのマネジメント。優勝は日系米国人23歳コリン・モリカワ。
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byJamie Squire/Getty Images
posted2020/08/10 10:30
今季初となるメジャー大会となる全米プロに挑んだ松山英樹。
<全米プロゴルフ選手権>
最終日8月9日(日本時間10日早朝)
TPC ハーディングパーク(米国カリフォルニア州)
7234ヤード・パー70
今季初のメジャー大会に臨んだ松山英樹は、首位と5打差の18位タイで最終日を迎えた。昨日の最終ホールをバーディで締め、逆転優勝に望みをつないだ松山は勢いそのまま1番からバーディ発進。しかし、2番ではボギーをたたくと、その後は我慢のゴルフが続いた。12番までパーで乗り切るが、13番パー4はボギーで後退。後半の14、15、16番と3連続バーディで盛り返すも、最終18番でダブルボギーと崩れ、最終日はイーブンパーの「70」。トータル-4の22位タイで大会を終えた。
試合後のインタビューでは「(最終日は)いいスタートは切れたが、その後なかなか思うようなプレーができなかった。14番からはいいプレー(3連続バーディ)はできたが、最後(18番ダブルボギー)はミスをした。ショット、パットともにもっと精度を上げていかないと厳しいなと思います」と振り返った。
今季、悲願のメジャー制覇へ向けて緻密にプランを組んできたが、新型コロナウイルスの影響でマスターズが延期となるなど白紙に。それでも「メジャーに出ないという選択肢は僕にはない」と強い気持ちを語り、未曾有の事態にも順応してきた。今大会でも初日からティショットに精彩を欠いたが、最後まで上位に食い込む可能性を示したマネジメントは今後につながるだろう。
NumberWeb連載『ゴルフボールの転がる先』でも紹介した通り、振り返れば松山はこれまでも逆境を跳ね除けてきたゴルファーであった。PGAツアー初勝利時はドライバーのシャフトが折れるアクシデントに見舞われるも、同行した飯田光輝トレーナーは「英樹は大きなアクシデントに対して異常な強さを発揮する。最終日にドライバーが折れたときも、プレーオフの前に『折れちゃった』って笑って言うだけ。『ヤバい、どうしよう』なんていう仕草はまったくなかった」とそのタフな精神面に舌を巻く。
悲願のメジャー制覇は9月の全米オープン、そして11月に延期したマスターズまで持ち越しとなったが、窮地を乗り越えてきた力に期待したい。
なお、稀に見る大混戦となった大会を制したのは、昨年ツアーデビューしたばかりの23歳コリン・モリカワ。地元開催となったカリフォルニア州育ちの日系米国人は16番にイーグルを奪うなど、この日ノーボギーの「64」とスコアを伸ばし、初のメジャー制覇を達成した。
全米プロ3連覇が懸かったブルックス・ケプカは29位タイ、相性の良いコースとして期待を集めたタイガー・ウッズは37位タイ。石川遼は予選落ちに終わっている。
<最終結果>
優勝 -13
コリン・モリカワ
2位 -11
ポール・ケイシー
ダスティン・ジョンソン
4位T -10
マシュー・ウルフ
ジェイソン・デイ
トニー・フィナウ
ブライソン・デシャンボー
スコッティー・シェフラー
9位 -9
ジャスティン・ローズ
・・・・・・
13位T -7 ジョン・ラーム
22位T -4 松山英樹
29位T -3 ブルックス・ケプカ
33位T -2 ロリー・マキロイ
37位T -1 タイガー・ウッズ、ジャスティン トーマス
※石川遼は予選落ち