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八村塁、再開初戦とPO進出への課題。
“22歳の中心選手”に託される命運。
posted2020/08/02 12:30
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
David Dow/NBAE via Getty Images
つい忘れてしまいがちな事実だが、八村塁はまだ22歳である。
シーズン再開前の練習試合3戦では平均17.3得点と好調で、チームの主軸としての自信も漂わせるようになったが、ワシントン・ウィザーズでプレーする八村はNBAではルーキーなのだ。
7月31日、フロリダ州オーランドで行われたフェニックス・サンズとの再開シーズン初戦。八村のプレーは良い意味でも悪い意味でも“若さ”を感じさせた。143日ぶりの公式戦とあって意欲満々で、最初の約3分半で6得点、2リバウンドという好スタート。自らが外したショットのオフェンシブリバウンドを2度も掴んで押し込むという見事な得点シーンもあったが、一方で少々“入れ込んだ”状態のようにも見えた。
案の定、直後のプレーで強引に突破にかかり、オフェンシブファウルを吹かれる。それから1分も経たないうちに、今度はサンズのエース、デビン・ブッカーへのディフェンス時に2つめのファウル。開始から3分半弱で八村はファウルトラブルに陥り、以降、第2クォーター途中までベンチで戦況を見守ることを余儀なくされてしまった。
「スマートにプレーできなかった」
「久しぶり(の公式戦)ということで、僕もすごく張り切って入った。それはいいことだと思うんですけど、スマートにプレーできなかった。チームから僕は必要とされているので、そこを改善してうまくやっていきたいなと思いますし、かといってアグレッシブさをなくさないようにはしていきたいと思います」
試合後、「開始直後は平常心だったのか」と尋ねると、八村は昂りがあったことを素直に認めた。今季を通じてその安定感を高く評価されてきたが、強心臓のルーキーにもバブルでの初戦では独特の緊張があったということか。
第2Qにコートに戻ったあともなかなかリズムに乗れず、ターンオーバーを連発。前半、八村がプレーしている間のチームの得失点差はマイナス17であり、第2Q終了時点でサンズに15点の大量リードを許す主要因となってしまった感は否めなかった。