スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
波瀾含みの開幕と集団感染。
マーリンズの危機は克服可能か?
posted2020/08/01 08:00
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph by
Getty Images
大谷翔平がアウトをひとつも取れず、30球を投げただけで、先発のマウンドを降りた。
3安打3四球5失点の数字以上に、投球の内容が悪すぎた。調整も実戦体験も、まだまだ不十分なのだろう。当分は辛抱強く見守るほかない。
好スタートを切ったのは、レイズ、カブス、パドレス、インディアンス、ツインズといったところだ。
反対に、レッドソックス、ホワイトソックス、ナショナルズ、レッズあたりには、早くも前途多難の印象がある。ドジャースやヤンキースといった「本命株」は、まずまずのスタートで好位につけ、力を溜めている様子だ。
感染の震源はアトランタでは、という声も。
それにしても、開幕後4日間で全勝チームが消えたのは予想外だった。というか、「やっとはじまった」大リーグの、今後の雲行きの怪しさを象徴しているかのようだ。
だが、もっとも衝撃的だったのは、マイアミ・マーリンズの新型コロナウイルス集団感染ではないか。
7月26日(日曜日)の発表では《4選手の感染》だったのだが、翌月曜日には《選手11人とコーチ2人》に修正された。火曜日になると《さらに4人》。いまのところの合計は17人で、ありがたくない上方修正だ。
感染の震源はアトランタではなかったのか、という声もあがっている。
開幕直前、マーリンズはアトランタでブレーヴスとエキシビション・ゲームを戦った。このとき相手方の捕手をつとめたタイラー・フラワーズとトラヴィス・ダルノーのふたりが、新型コロナウイルス感染の症候を示し、開幕カードの対メッツ3連戦を欠場したのだ。
といっても、これはパンデミックなのだから、犯人探しをしてもはじまらない。