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ダルビッシュの自信、マエケンの緊張。
MLB、波乱含みの開幕レポート。
posted2020/08/01 11:50
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
AFLO
正午すぎに始まったゲームが終わったのは、太陽が大きく傾き始めた午後3時を過ぎた頃だった。7月25日の土曜日、シカゴで行われたカブスとブルワーズの開幕シリーズ第2戦。先発したダルビッシュ有投手は4回6安打3失点で敗戦投手になった。
試合終了とほぼ同時に、別室に控えているカブスの広報からオンライン会見=Zoomの招待メールが届く。最初に監督の定例会見。続いて先発投手、さらに野手が1人ないし、2人は話すという告知である。
取材席のあちこちに散らばった記者とほぼ同時に、リンクをクリックする。やがてラップトップの小さな画面に姿を現したデビッド・ロス監督がマイクをチェックし、会見が始まる。
「今日は80球から85球ぐらいまでと考えていたが、73球かな? ちょうどいいタイミングだと思ったので、(投手を)代えたんだ」
ロス監督はそう言った。
打たれたのは「速いカッター」。
続いて会見場に姿を現したダルビッシュは、米メディアに引き続いて行われた日本メディアとの質疑応答でこう答えた
――勝ち越し打となったガメルの2点タイムリー三塁打は?
「速いカッターですね。その前に暴投したと思うんですけど、自分は今まで試合であまり速いカッターを多く投げてきたことがないんですね。
今日は速いカッターをインサイドに投げるというプランがチームにあったので、投げすぎたのかわからないですけど、途中からリリースポイントがズレてきた。あれはちょっとストライクを取りにいった。インサイドを狙ったけどちょっと抜けたので、あまり力がなかった」