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MLB集団感染発覚は悪夢ではない?
問われるべきコミッショナーの責任。
posted2020/07/31 07:00
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Getty Images
もしこの事態を、本当に「予想の範囲内」としていたとすれば、MLBコミッショナー、ロブ・マンフレッド氏の責任問題と言っていい。
約4カ月遅れで開幕したメジャーリーグに7月27日、新型コロナウイルスの集団感染が発生した。
26日までにフィラデルフィアで開幕3連戦を終えたマイアミ・マーリンズで、15人を超える感染者が確認された。開幕3戦目の26日には、先発予定だったホセ・ウレーニャ投手の陽性反応が確認され、直前で登板を回避。試合は実施されたものの、翌日までにチーム内でさらに感染が拡大していることが明らかになった。
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試合後、当初は本拠地へ戻る予定だったマーリンズは、フィラデルフィアに足止めされ、選手・スタッフ全員が再検査を受ける事態となった。
検査結果の確認に時間を要したこともあり、27日に予定されていたマイアミでの地元開幕2連戦「マーリンズvs.オリオールズ」が中止となった。
「正直に言うと、本当に怖い」
その影響を受け、同日からフィラデルフィアで予定されていた「フィリーズvs.ヤンキース」の試合も中止が決定。不特定多数の感染者が利用した可能性が高いビジター用のクラブハウスを、完全消毒が済むまで使用するわけにはいかなかった。
翌28日も2試合が中止となり、機構は対応に追われた。31日からマイアミへ遠征する予定だったナショナルズは、心臓に疾患を持つデーブ・マルチネス監督が「正直に言うと、本当に怖い。選手、コーチ、スタッフは自分の家族。とても心配している」と発言。その後、選手間の投票でマイアミでの試合実施に反対の意思を表明した。
その後、機構はマーリンズが8月2日まで、フィリーズは7月30日まで試合を行わないことを発表した。ナショナルズは3日間試合がなくなり、代替策として29日と30日にボルティモアで「オリオールズvs.ヤンキース」の試合を実施することが決まった。