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トライアスロン界のホープは24歳。
岸本新菜と憧れの「藍さん」。

posted2020/07/29 07:00

 
トライアスロン界のホープは24歳。岸本新菜と憧れの「藍さん」。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

text by

石井宏美

石井宏美Hiromi Ishii

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photograph by

Kiichi Matsumoto

 トライアスロン界のホープ・24歳の岸本新菜は、昨年、日本選手権2位で2年連続表彰台に上がり、東京オリンピック代表争いに名乗りを上げた。

「大学時代はワールドカップの下のグレードの大会でも表彰台に上がることが出来なかったのですが、社会人1年目からは表彰台に上がる機会も徐々に増えて日本選手権でも3位となり、少しずつ先輩方の背中が見えてきました。ようやくオリンピックを目指すスタートラインに立てたと感じることができましたね」

 '19年には本格的にワールドツアーに参加。W杯では世界の強豪相手にトップ10入りも経験し、「勝負ができる位置まで来られた」と成長を実感している。

 急成長の秘密は負けず嫌いな性格と、長く女子トライアスロン界をけん引するチームメイト・上田藍の存在が大きい。

「本当に学ぶことが多いですし、藍さんと練習することで自分と世界との距離も感じられる。常にポジティブで何事もプラスに捉えられる藍さんの姿を間近で見ているうちに、私も気持ちの切り替えがうまくなったし、タフになりましたね」

「いつかは藍さんみたいに」

 新型コロナウイルスの影響で東京オリンピックの代表選考も延期となったが、「成長できるチャンスと思って必死に練習しています」とあくまでも前向きだ。

 トライアスロンは最初のスイムで出遅れても、バイクやランで取り戻せるのが魅力だ。レース展開を見極め、どこで仕掛けるか、勝負の匂いをかぎわけて駆け引きすることも重要だと岸本はいう。現在は得意のバイクに磨きをかけ、スイム、ランのさらなる強化を目指して1日5~6時間のトレーニングに臨む。

「オリンピックに出られたなら、やっぱりメダルを目指したいですね。そしていつかは藍さんみたいにトライアスロン界に名を刻むような、誰からも応援される選手になりたいですね」

岸本新菜Niina Kishimoto

1995年11月30日、埼玉県生まれ。福井県スポーツ協会・稲毛インター所属。日体大進学後に本格的にトライアスロンを始める。2018年アジアU23選手権で優勝を果たした。'19年日本選手権では2位に。現在のNTTジャパンランキングは3位。165cm。

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