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札幌・菅野孝憲の500試合とGK論。
ソンユン移籍、カズとミシャに学び。
text by
斉藤宏則Hironori Saitoh
photograph byJ.LEAGUE
posted2020/07/25 11:40
横浜FC、レイソル、サンガ、そしてコンサドーレ。菅野孝憲が各クラブのゴールマウスを長く守り続けられたのも、その哲学あってこそだろう。
36歳菅野の理想のGK像とは?
36歳のGKに対し、敢えて理想のGK像を問うてみた。
「うーん……。やっぱり『勝てるキーパー』ですね。結局は結果が一番に求められる世界だし、『菅野が出た試合って、なんだかんだで結局は勝ってたよね』と後に言ってもらえるような、そんなキーパーになりたい」
今季のホーム開幕戦となった7月22日のFC東京戦でJ1・J2通じてのリーグ戦通算500試合出場を達成した。その感想については「基本的にはいつも通りです」と菅野らしい回答だったが、「称えてくれる横断幕を見てパワーをもらった」と感謝の意も述べた。カズさんを手本に、カズさんと同じ年齢まで頑張ってみては? と投げかけた際には笑って受け流し、否定もしなかった。
いずれにせよ彼の言葉やスタンスから読み解けるのは、500試合を達成したいま、見据えるのは600試合でも700試合でもなく、何歳まで現役を続けるかでもない。とにかく全力で501試合目のスタメンの座を掴み、その試合に勝利をすること。あくまでも目標は目の前のこと。
そうやって菅野はキーパーとしての日々をこれからも一歩一歩、丁寧に過ごしていくのだろう。