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美しきイタリア体操界の星、ヴィラ。
コロナ禍の悲劇乗り越え東京五輪へ。
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byGetty Images,Yumiko Yanai(in the article)
posted2020/07/18 20:00
昨年10月の世界選手権では大躍進のイタリアを引っ張ったヴィラ。
ユース五輪の個人総合、跳馬、ゆかで金。
2003年2月23日、イタリアのロンバルディア州ベルガモ県のブレンバーテに生まれ、4歳で体操を始めた。
小学生時代から頭角を現していたヴィラは、イタリア体操協会が15年から5カ年計画で東京五輪を目指して強化を進めたエリートグループの一員として、親元を離れてブレシアのアカデミーでトレーニングを続けてきた。
ヴィラの名を有名にしたのは18年にアルゼンチンで開催されたユース五輪だ。
日本の北園丈琉(清風高校)が個人総合など男子の5冠を達成した大会。ヴィラは個人総合、跳馬、ゆかの金メダルに輝き、段違い平行棒では銀メダルを獲得した。同年には欧州ジュニア選手権の女子個人総合も制した。
「東京五輪はずっとわたしの夢です」
昨年の世界選手権中、ミックスゾーンでヴィラに取材する機会があった。大きな目をきらきら輝かせながら、ひとつひとつの質問に答えてくれた。
「ユース五輪の結果で少し自信がついたと思います。でも、私自身のやることは何も変わりません。試合に向けてしっかりと練習していくことは今までと一緒です」
好きな体操選手は誰かと尋ねると、2人の名前を挙げた。
「あこがれはレベッカ・ダウニー(英国)とバネッサ・フェラーリ(イタリア)です」
ダウニーは'19年世界選手権にも出場していた実力派のベテラン選手。フェラーリは'06年、デンマーク・オーフスでの世界選手権・女子個人総合で金メダルに輝いたイタリアのレジェンドだ。
そして、東京五輪について尋ねると、このような答えが返ってきた。
「東京五輪はずっとわたしの夢です。ただ、世界選手権の団体は5人ですが、東京五輪の団体は4人なので、もっと練習して上達しないといけません。もっと練習してDスコア(演技の難度)を上げたいです」