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上半期GI戦線総括。最大の衝撃は
コントレイルかアーモンドアイか。
posted2020/07/03 19:00
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Representative
先週の宝塚記念(GI)をもって今年の競馬シーズンも折り返しとなった。上半期のGI戦線では様々なスターホースが誕生。近年まれにみる名馬の時代とも思える結果になった。
まず牡牝ともに無敗の2冠馬が生まれた3歳クラシック戦線。皐月賞、日本ダービーの両レースを1番人気で快勝したのがコントレイル(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)だ。
2歳時の昨年、デビューから3連勝でホープフルS(GI)を優勝。最優秀2歳牡馬に選定された同馬は、今年の初戦をぶっつけで皐月賞に出走した。同じく2歳時に3戦3勝でGI(朝日杯フューチュリティS)勝ちのサリオスとの一騎討ちとなったが、これを半馬身差退けて見事に1冠目を制覇。続く日本ダービーでも再戦となると今度はその差を3馬身に広げた。
サリオスはここも2着に健闘したが、これをあっさりと負かして2冠制覇を達成。これでデビューから5戦、全て1番人気に応えての5連勝という完璧なパフォーマンス。秋には菊花賞(GI)挑戦が関係者からすでに表明されており、2005年のディープインパクト以来、史上3頭目となる無敗の3冠馬を目指す。
3000メートルに距離が延びる事でサリオスの逆転があるのか?
他の上がり馬が台頭するのか?
それとも距離と時間の壁も関係なく彼と福永祐一騎手が、みたび挑戦者の前に立ちはだかるのか? どういう結果が待っているかは分からないが、楽しみなのは間違いない。ぜひ無事に秋を迎えていただきたい。
デアリングタクトも牝馬3冠なるか。
無事に秋を、という意味では牝馬2冠を達成したデアリングタクト(牝3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)も同様だ。
昨年11月、2歳でデビューしたこの馬は、今春の2戦目でエルフィンSを優勝。3戦目で一気に桜花賞(GI)を制覇すると、続くオークス(GI)も優勝。デビューから4戦4勝、無敗で桜花賞とオークスの2冠を制したのは実に63年ぶりという快挙を達成した。
秋には主戦の松山弘平騎手を背に史上初の無敗での牝馬3冠は成るのか? 牡馬のコントレイル同様、楽しみに待ちたい。