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中断明けプレミア下位に迫る恐怖。
残り9試合、運命の残留争いを占う。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byGetty Images
posted2020/06/20 08:00
西ロンドンの人気クラブ、ウェストハムは生き残れるのか。プレミア残留争いにも注目したい。
ワトフォードに地獄の連戦はなし。
日程は流動的だが、7月初旬からの2週間がボーンマスにとって正念場だ。チェルシー、アーセナル、ユナイテッドを破った昨シーズンのような一体感を取り戻せるのか。主力の戦線離脱で失われた自信はどこまで回復しているのか。
ライアン・フレイザーは現行の契約が切れる6月30日で退団するとはいえ、本来ならボーンマスはトップ10入りも可能なポテンシャルを秘めている。前述したノルマ達成は、難しいが不可能ではない。
さて、ワトフォードとウェストハムも27ポイントで苦しんでいる。
ただ、ともにブライトンやボーンマスのような地獄の連戦はない。とくにワトフォードのナイジェル・ピアソン監督は自他ともに認めるモチベーターだ。レスターを率いていた2013-14シーズンにはラスト9試合を驚異の7勝1分1敗でクリアし、見事グレイトエスケイプに導いている。
しかし、モチベーターでもなければ戦術家でもないのが、ウェストハムのデイビッド・モイーズ監督だ。
モイーズの手腕は大丈夫なのか。
2013-14シーズン、わずか7カ月でユナイテッドを追われた後はレアル・ソシエダでもサンダーランドでもサポーターの不評を買った。この男こそが失敗のスペシャリストか。
昨年12月、ペジェグリーニの後任として再びウェストハムを指揮することになったが、プレミアリーグでは14戦2勝2分10敗・勝点8だった。
GKルーカス・ファビアンスキ、MFマーク・ノーブル、デクラン・ライス、マヌエル・ランシーニ、FWフェリペ・アンデルソン、セバスチャン・アレなど残留争いのライバルに比べると恵まれた戦力を有しながら、降格ゾーンから抜け出せずにいる。
“aop”が11.30とはいえ、モイーズ監督の手腕は不安でしかない。残り9試合で13ポイント以上という残留の条件を満たすことは難しそうだ。