リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
再開リーガ、暑さと連戦と交代枠。
バルサ&ヘタフェ監督の見解は……。
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byGetty Images
posted2020/06/13 08:00
39日間でリーガ各クラブは11試合をこなす。出ずっぱりが予想されるメッシ、マルセロらのコンディションも気になるところだ。
両マドリー、バルサが抱える問題。
なるほどビッグクラブは、お金を使ってレベルの高い選手を揃えている。だが、その選手たちが同じようなタイプばかりだったら?
なかなか崩せない相手ディフェンスラインを80分かけて疲弊させたところで、4人ともごっそり代えられたとしよう。ならば、とこちらもアタックラインを丸ごと元気な選手に代えるが、タイプが同じとなると残り10分で決着をつけるのは難しかろう。
このような観点から、『ラ・バングアルディア』紙に寄稿するアナリストのアレクス・ダルマース氏は、R・マドリー、アトレティコ、バルサが抱える問題を挙げている。
R・マドリーとアトレティコは得点を期待できるアタッカーの控えに乏しく、バルサは使えるディフェンダーが少ない。
交代枠では監督の力量も試される。
一方、交代枠5人は監督の力量を測る天秤にもなりそうだ。
試合をどう進めるのか判断する際に、実質チームの半分を入れ替えられることは重要なポイントとなる。選手の体調・心理管理に関しても同様だ。
それゆえ、氏は言う。
今回の交代枠変更で得をするのは、ビッグクラブであろうとなかろうと、レベルが高くかつタイプが異なる選手を十分に揃えたチームと言える。そして何よりも、試合の流れを戦術的に的確に読める監督が率いるチームだと。
それが誰なのかは、蓋を開けてのお楽しみである。
ところで国際サッカー評議会が、再開されるシーズン中の交代枠を増やした理由は、選手の健康面に配慮したためだった。新型コロナウイルスによる中断期間明けは、多くのリーグが短期間に数多くの試合を、想定外の気象条件下で強行しなければならない。
果たして、アトレティコ、アスレティック・ビルバオ、ビジャレアル、レガネスなどは、第28節から第31節までの4試合がわずか10日のうちに組まれている。