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プロ野球がいよいよ開幕。
松井稼頭央がコロナ後に求める変化とは。

posted2020/06/17 11:00

 
プロ野球がいよいよ開幕。松井稼頭央がコロナ後に求める変化とは。<Number Web> photograph by BS Asahi

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林田順子

林田順子Junko Hayashida

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BS Asahi

6月19日(金)、プロ野球がついに開幕する。

とはいえ、当面は無観客試合であるし、コロナ以前の状態に戻るのは容易ではない。日々刻々と変わる状況に対応しながら、前例のないシーズンを過ごしていくことになるだろう。

ただ、これまでにない状況下だからこそ、新たな気づきを得て、今後に生かそうとする人たちもいる。以前にも「才色健美」に出演した埼玉西武ライオンズの二軍監督、松井稼頭央もその一人だ。自粛期間で感じたこと、アフターコロナへの展望を語ってくれた。

 決定は急でした。

 緊急事態宣言を受けて、スタッフは自宅待機、選手は時間を分けて、週4日の分離練習になりました。あの時はきちんと選手に声をかける時間もタイミングもありませんでした。

 約1カ月半も選手と離れたことなんか今までなかったので、各選手のレポートに目を通したり、球場に行く用事があったときには選手に声をかけたりしましたけど……。「大丈夫なのだろうか」という不安と、「しっかりできているな」という期待が混ざり合うような複雑な気持ちで過ごしていましたね。

 選手たちは、いつ開幕するのかわからない状況に不安もあったと思います。モチベーションを維持するのも難しかったでしょう。

 僕自身もどうしたらいいのだろうと考えることが多かった。でも結局は、やっぱり選手を信じて、今の自分には何ができているのかを考えることが大切だと気づきました。

久々に会った選手は、いい顔をしていた。

 5月7日にはスタッフもシフト制になって、週1度、練習を見られるようになりました。

 久々に会った選手たちは、すごくいい顔をしていたんですよ。その表情を見て、不安の中にあっても彼らが自分たちで工夫しながら、しっかりと調整してくれていたのがわかりました。そこで初めて少し安心できたのを覚えています。

 その後、6月19日の開幕が決まって、また野球ができるという喜びは本当に大きかった。

 一方で、多くのプロスポーツが開催時期を模索するなか、プロ野球は早々に開幕を決定し、先陣を切った形になりました。だからこそ、その責任は大きいと感じています。

 野球ができなかった2カ月間を思い出し、試合ができることに感謝をしながら、プロとして必死にプレーをする。上手い、下手、良い、悪いじゃなく、プロとして意義を持って、見ている人を勇気づけられるような、必死のプレーをしないと示しがつかないでしょう。練習試合であっても、選手には1試合1試合成長の手応えを感じられるようなプレーをしてもらいたい。

 もちろん今までと同じようにいかないことも多いでしょう。当たり前のことが当たり前じゃない状況ですから、新しいことを受け入れ、変化していくタイミングなんだと捉えています。

【次ページ】 新しい練習スタイルを提案できる好機に。

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