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マイナーリーグと生き残り対策。
米国「草の根野球」を守って欲しい。 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2020/06/06 09:00

マイナーリーグと生き残り対策。米国「草の根野球」を守って欲しい。<Number Web> photograph by Getty Images

オハイオ州のデイトン・ドラゴンズ(レッズ傘下、1A)の本拠地・フィフス・サード・フィールド。現在、集客力がある球団も苦境に立たされている

解雇された選手数は400人以上。

 そんなマイナーリーグが、崖っぷちに立たされている。5月末までに解雇された選手数は400人以上にのぼった。このまま進めば1000人以上の解雇は確実だろう。

 追い討ちをかけるように、アスレティックスが、傘下マイナーチームに対して、6月以降の給与打ち切りを断行した。

 週400ドルの休業補償ぐらいはつづけられるだろう……と踏んでいたこちらの読みが甘かったのか。ただ、この報道が流れた直後、ツインズ、アストロズ、ロイヤルズ、レッズの4球団は、傘下マイナーリーガーに「今季休業補償分(8月末日まで毎週400ドル。レッズは9月7日まで)」を全額支払い、「その間の雇用」も保証すると発表している。

裕福な球団も少なくない。

 マイナーリーグの球団には、老舗がいくつかある。バファロー・バイソンズ(ブルージェイズ傘下。3A)は1877年に、チャタヌガ・ルックアウツ(レッズ傘下。2A)は1885年に、トレド・マッドヘンズ(タイガース傘下。3A)は1896年に創設された。100年以上経営が持続したのは、地元の支持が一貫して厚かったからだろう。

 裕福な球団も少なくない。

 オハイオ州にあるデイトン・ドラゴンズ(レッズ傘下。1A)は、2011年に「815試合連続で入場券完売」の全米記録を達成したことがある。〈フォーブス〉誌の評価によると、この球団の資産価値は、2016年時点で4500万ドル(約50億円)にも達する。

 これは3Aの人気球団サクラメント・リヴァーキャッツ(ジャイアンツ傘下)やシャーロット・ナイツ(ホワイトソックス傘下)とほぼ同等の価値だ(ちなみにいうと、大リーグ各球団の平均資産価値は18億5000万ドル=約2000億円)。

「マイナーリーグ=清貧のお荷物」と思っている方が少なくないので、こういう例を出した。

 もちろん、独立リーグ(現在7つ)に属するいくつかのチームをはじめ、経営の苦しい球団は多い。シーズン開催が1年中止されれば、閉鎖に追い込まれる球団も少なくないだろう。リーマン・ショックのあった2008年以降に絞っても、廃止された独立リーグの数は10にのぼる。

【次ページ】 草の根野球はかならず戻ってくる。

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