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スケボー・中山楓奈と東京五輪。
1年後に準備する「すごい技」。
posted2020/06/02 15:00
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Yasuhiro Shimoka
「海外の大会は、技が決まったらみんなが来てくれてハイタッチしたり、声をかけてくれたり。練習も笑いながら楽しそうで、いいなと思った」
昨年5月、ロンドンで行われた世界最高峰のストリートリーグ(SLS)の第1戦で6位に。13歳で一躍トップ選手の仲間入りを果たした。
強化指定選手として、昨年はそのロンドンを含めて海外で行われた7試合に出場。世界ランクは15位まで上昇した。
初めて海外の大会を転戦した一年を振り返って、「今後も出続けたい」と話す。
「大会に出ることで、次にこんな技をやってみようとか、新しい目標が出てくるから」
大きい大会では緊張することもあるが「滑り始めれば大丈夫」と言う。試合前のリラックス法は「好きなものを食べたり、見たり」すること。日本から「お菓子や、カルピスとか」を持参して、試合に臨んだ。
女子では珍しい高難度の技を。
制限時間内に様々な技を行う「ラン」よりも、一発技を競う「ベストトリック」を得意とする。これまでの大会でも女子では珍しい高難度の技をメイクし、逆転劇を演じてきた。なかでも好きな技は、デッキと車輪をつなぐトラック(金属部分)をレールやカーブなどにかけ、斜めに滑る「Kグラインド」だ。
「流していて気持ちいいし、周りの人から見てもかっこいい。できるようになるまですごく大変だった技でもあるから」
コロナウイルスの影響で練習環境も厳しくなり、目標としていた東京五輪も1年延期となったが、それでもプラスに捉えている。
「1年時間が増えたから、いまよりもっとすごい技をできるようになりたい」
以前から取り組む、Kグラインドより更に高さや精度が必要な「オーバーK」や、それ以外にも試したい技がある。どんな技を? と聞くと、「いっぱい」と即答してくれた。
中山楓奈Fuuna Nakayama
2005年6月17日、富山県生まれ。9歳で本格的にスケートボードを始める。昨年の日本オープン・ストリート女子2位、日本選手権優勝。同年5月にロンドンで開催のストリートリーグ(SLS)で6位。世界ランク15位(4/24現在)。ムラサキスポーツ所属。155cm。