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選手も賛否両論のプレミア再開案。
「実験用マウス」扱いとの声も。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2020/05/22 19:00

選手も賛否両論のプレミア再開案。「実験用マウス」扱いとの声も。<Number Web> photograph by Getty Images

サッカーボールにも消毒液。プレミア再開に向けての練習は徹底管理の中で行われている。

8月後半の閉幕も検討され始めた。

 物議を醸しかねない、残るCL出場枠3つはシティ、レスター、チェルシーの現2~4位が占める。一方、4勝3分7敗と冴えないホームでの戦績が災いし、第29節終了時点での16位から18位に落ちて降格……という計算になるウェストハムには気の毒だが、完璧な策などあり得ないなかでは最善の対処方法だろう。

 もっとも、「カーテイルメント」は、あらゆるシナリオを想定した話し合いのなかでも、最悪のケースとして議題に含まれているに過ぎない。

 目標とする今季再開日が当初の6月8日から12日、19日、さらには26日へ延ばされ、7月中ではなく8月後半の閉幕が検討され始めた事実は、今季再開に向けて全20クラブの意志が固い証拠でもある。

 再開が「時間の問題」だと言える状況までは至っていないが、ロックダウンによる感染抑制により、「時期の問題」だと言える地点までは辿り着くことができた。

 だからこそ、ここでリーグ再開を急いではならない。

 プレミアリーグと各クラブは、第2フェーズへの移行を焦ってはならない。選手たちが、練習環境は安全だと信じられるようになるまで、そんな精神面でのウォームアップも重要となる第1フェーズの成り行きを、最短とされる8日間を超えて見守る覚悟が必要だ。

 大きな1歩となった「プロジェクト・リスタート」ではあるが、2歩目、3歩目には、慎重に少しずつ前に進む「ベイビー・ステップ」が望ましい。

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