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清原和博に前田智徳、土井正博。
「無冠の帝王」に漂うダンディズム。 

text by

広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byNaoya Sanuki(L)/Kazuhito Yamada(R)

posted2020/05/22 11:30

清原和博に前田智徳、土井正博。「無冠の帝王」に漂うダンディズム。<Number Web> photograph by Naoya Sanuki(L)/Kazuhito Yamada(R)

前田智徳(左)と清原和博。平成の30年間を知る野球ファンであれば、2人の打棒を思い出すのは容易だろう。

丸が2年連続でMVPに輝けた理由。

 しかし丸の場合、少し状況が違っている。彼は打撃タイトルは取っていないが、2017、2018年と2年連続でMVPを獲得している。

 セイバーメトリクスなど新しい評価基準が導入されて以来、従来の打撃三部門は以前ほど重要視されなくなっている。特に「打点」は運が絡む要素が大きいとされ、MLBではほとんど評価されていない。

 丸は野球記録の新しい指標であるWAR(Wins Above Replacement)や、RC(Run Create)などではリーグ屈指の数字をマークしている。だからこそ打撃タイトルに縁がなくてもMVPに選ばれたのだ。

 そういう意味では丸には無冠の帝王と言う名はふさわしくないかもしれない。そもそも苗字通り丸くて愛嬌のある風貌に、「帝王」という表現は似つかわしくない。

 こういう感じで「無冠の帝王」の価値観はどんどん変わるだろうが、そのダンディズムは、今も生きているのではないだろうか。

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