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松井秀喜と番記者の友情のBBQ。
メジャー1年目、大爆発の前触れ。
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byKyodo News
posted2020/05/19 11:30
ヤンキース1年目の松井秀喜にとって転機となった2003年6月5日のレッズ戦。本塁打を含む4安打を放った。
ラーメン屋はダシの取り方を教えない。
それでは何が変わったのか。こちらが執拗に聞こうとすると、茶目っ気たっぷりの笑顔で煙に巻いた。
「ラーメン屋さんの主人がダシの取り方をが『はい、こうですよ』って、教えないでしょ。それと同じだよ(笑)」
新たなる環境での適応に松井は256打席を要した計算になるが、決して器用とは言えない彼を表すエピソードであると同時にそこまで待ってくれたジョー・トーレ監督の懐の大きさも感じずにはいられない。
と同時に、『松井』と『番記者』の間には“いい空気”が流れていたことを今、思い起こす。おおらかで寛容な松井秀喜さんの人柄が成せる業であったことは間違いない。