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私のJ最強クラブ。2018年J1連覇、
フロンターレの風格は現在進行形。 

text by

いしかわごう

いしかわごうGo Ishikawa

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photograph byJ.LEAGUE

posted2020/05/19 20:00

私のJ最強クラブ。2018年J1連覇、フロンターレの風格は現在進行形。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

2017年のJ1初制覇に続き、風格を漂わせる連覇を達成。フロンターレを応援する人全員がその成熟ぶりを感じたことだろう。

大一番を前にしても自然体だった。

 ただそんな大一番に向けたトレーニングでも、選手たちはみな自然体なのである。肩に力が入り過ぎることはなく、かといって油断しているわけでもない。練習中に指揮官が檄を飛ばさなければならないような緩みもなく、常に適度な緊張が保たれている。

 皆が勝つための準備に集中している集団の雰囲気が漂っていたのである。

 練習後、キャプテンである小林悠にそれとなく尋ねてみたが、あらためて自分が味方に何か声をかける必要のないチーム状態で臨めることに胸を張った。

「みんながこの一戦の重要性はわかっていると思います。変に気負いすぎず、平常心でやることですね。言わなくてもわかる選手ばかりなので。こういう厳しい試合、大事な試合を勝たないと優勝は見えてこないのはみんなわかっている。みんなを信頼して自信を持ってやりたい」

 大一番に向けたチームのメンタリティー、空気感が以前とは変わっており、強いチームへと変貌していることを実感した一幕である。

無冠時代のデリケートだった苦み。

 思えば、無冠時代が長かった川崎は、優勝のかかった一戦でどこかデリケートな顔をのぞかせるチームだった。

 まだ記憶に新しいのは、4年前の2016年の1stステージ・アビスパ福岡戦だ。

 2位・鹿島アントラーズの結果次第では初のステージ優勝が決まる可能性があった一戦だったが、ゲームの入り方に失敗し、立ち上がりに2失点。何とか追いついたものの、最下位相手に不覚をとり、2位だった鹿島に首位の座を明け渡してしまった。

 この試合後、いつになく悔しさを露わにしていたのが小林悠である。

「情けない。自分たちが2試合勝てば優勝という状況で、チームとして、フロンターレとして弱さを出してしまった。もったいなかった。こういう試合であっさりと失点してしまうのはありえない」と、ミックスゾーンでは珍しく厳しい言葉も口にしたほどだった。この引き分けが響き、そのまま鹿島にステージ優勝される苦い経験も味わった。

【次ページ】 登里が語る「足りなかったもの」。

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