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ヴィクトリアMに最強牝馬が降臨。
アーモンドアイの状態は戻ったか。
posted2020/05/16 19:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Keiji Ishikawa
世界を震撼させた最強牝馬が今年の初戦を迎える。
今週の第15回ヴィクトリアマイル(5月17日、東京芝1600m、4歳以上GI)に、一昨年のジャパンカップ、昨年のドバイターフなど国内外のGIを6勝しているアーモンドアイ(牝5歳、父ロードカナロア、美浦・国枝栄厩舎)が出走する。
5カ月ぶりの実戦でどんな走りを見せるか。マイル戦線のみならず、今年の古馬戦線全体を占ううえでも重要な一戦になりそうだ。
圧倒的1番人気に支持された昨年の有馬記念で、アーモンドアイは9着に終わった。敗因には不可解な部分も残るが、一番に考えられるのは、軽い熱発で香港遠征を回避したあとの一戦となったことか。もうひとつは、トリッキーな中山2500mで道中掛かり気味になってしまったこと。
そして、4コーナーからフィエールマンと併せて上がって行く初めての形になったこと――などの複合要因だったのだろう。
それでも、2分20秒6のスーパーレコードで楽勝した一昨年のジャパンカップや、内から鋭く抜け出した昨年の天皇賞・秋で見せたパフォーマンスからすると、軽くはねのけるかと思われたが、デビュー以来初めての惨敗となった。
ドバイ入りしたもののレースが中止。
今回も、ここに至る道のりは平坦ではなかった。ドバイターフ連覇を狙い、3月19日に現地入りしたら、その3日後、新型コロナウイルスの影響でレースの中止が発表された。
主戦のクリストフ・ルメールは、「ライフホース」と言うほど大切にしているこの馬に確実に乗ることができるよう、日本のレースを1週キャンセルして早めに現地に入っていた。結果的にムダ足となり、日本に戻ってから2週間自宅隔離を余儀なくされたため、ひと月近くレースに出られなくなってしまった。