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降格危機ヴェルディを5戦で救った。
野獣エジムンド逸話と技術の凄味。 

text by

海江田哲朗

海江田哲朗Tetsuro Kaieda

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photograph byAFLO

posted2020/04/26 08:00

降格危機ヴェルディを5戦で救った。野獣エジムンド逸話と技術の凄味。<Number Web> photograph by AFLO

わずか5試合でヴェルディの降格危機を救ったエジムンド。暴れん坊だがセレソンに招集された実力は本物だった。

「他会場の経過、おれにだけは」

 2002年、エジムンドは相変わらず違いを見せ16ゴールをマークするが、チームメイトとの不和をはじめ、それまで抑え込んでいたネガティブな面を隠しきれなくなっていた。

 周囲に要求する水準が高く、少しでもパスがずれたら足を伸ばそうともしない。守備をあからさまに放棄する。一緒にプレーした選手たちは苦労も多かっただろう。

 2003年に移籍した浦和レッズではハンス・オフト監督の方針と折り合えず、カップ戦2試合に出場したのみ。3月末には日本を去っている。

 私の印象に残るのは、やや青みがかったきれいな瞳と、信じられないほどの身体の厚み。プロフェッショナルとは何かを強烈に示してくれた人だった。

 J1残留が懸かった2001年の東京ダービー。「他会場の経過は伝えないと聞いたが、おれにだけは教えてくれ。それによって自分はやるべきことを決める」とエジムンドは小見に言い、見事結果を出した。

 チームの勝利に役立ってこその技術の価値。それをあれほど鮮やかに体現した選手は、ほかにいない。

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