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MLBのアリゾナ集中開催は可能か?
“クラスター対策”と猛暑の懸念。
posted2020/04/15 19:00
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Getty Images
新型コロナウイルスの感染拡大で公式戦を延期しているMLB機構が、選手会との間で善後策を検討している中、早ければ5月中にも全30球団がアリゾナに集まり、無観客で公式戦全試合を行うプランが浮上した。
米国の複数メディアが伝えたもので、これに対し、機構は声明を発表し、検討していることを認めた一方で「その方法を決定したわけではなく、詳細の計画を推進しているわけでもない」と、あくまでも複数案の中のひとつであると説明した。
環境、施設面だけを見れば……。
では、「アリゾナプラン」は、実現可能なのか。
メジャー球団のキャンプ地としても知られるアリゾナ州では15球団が春季キャンプを行っており、フェニックス近郊に球場、練習施設が10カ所(5カ所が共用)存在する。
これにダイヤモンドバックスの本拠地チェースフィールド、さらにアスレチックスが2014年まで使用していたフェニックス市民球場を含めると、少なくとも12球場でプレーすることが可能と見られている。
キャンプ地が分散しているフロリダと比べると、各球場間の移動時間も最長で1時間程度と利便性もあるため、選手の負担、移動のリスクも軽減される。
各球団施設にはマイナーのクラブハウスが併設されており、フロリダにキャンプ地を持つ他の15球団を受け入れることも可能。チェースフィールドを中心に変則ダブルヘッダーを組み込むなど日程面の調整をクリアした場合、環境、施設面だけを見れば、試合を実施することを、決して無謀とは言い切れない。
ただ、問題点も少なくない。