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MLBのアリゾナ集中開催は可能か?
“クラスター対策”と猛暑の懸念。
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byGetty Images
posted2020/04/15 19:00
レッドソックスの本拠地フェンウェイ・パークのテッド・ウィリアムズらの銅像にもマスクが付けられている。
審判、スタッフ、メディアも集中。
無観客ながら、各ローカルテレビ局、または全国ネットで全試合を放映するとすれば、中継スタッフをはじめ、数多くの関係者やメディアが特定の場所に集中することは避けられない。
審判員、球場スタッフ、食事のデリバリーなど、選手やコーチ以外への配慮も必要となる。
5月で平均気温37度、夏場は40度超も。
最も見逃せないのが、酷暑続きの気候である。
砂漠気候のアリゾナは、例年5月下旬から猛暑日の連続で、平均気温は37度、湿度20%とカラカラの状態となり、7月前後には40度を超えることも珍しくない。
比較的に気温の低い午前中、もしくはナイターでプレーしたとしても、激しく消耗することは間違いなく、しかも連戦となれば選手の体の負担は増大する。ベンチ入りのロースター枠を28~30人まで拡大するとしても、選手個々の体調管理はそう簡単ではない。
アリゾナ州は、ニューヨークやカリフォルニアと比較すると感染拡大が緩やかで、米国時間4月7日の時点で感染者は2851人、死者73人(AP通信調べ)。3月19日にレストランやバーなどが営業停止となり、学校の休校、外出自粛が続いているものの、今後、さらに拡大する可能性もあるだけに不透明さは否定できない。
機構が説明したように、「アリゾナプラン」は、あくまでもアイデアの1つだろう。
まずは、無観客のアリゾナでスタートし、感染拡大が終息すれば、観客にも開放。さらに、全米中の安全が確認されれば、各チームの本拠地での実施に移行するというオプションを含んでいるのではないだろうか。
いずれにしても、MLB関係者は早期開幕への希望を捨てていない。
幾多の困難な状況を想定し、様々なシミュレーションを繰り返している彼らの労力が、1日も早く報われることを祈りたい。