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開幕延期が長引くメジャーリーグで
田中将大が投球に懸けていた想い。

posted2020/04/15 11:00

 
開幕延期が長引くメジャーリーグで田中将大が投球に懸けていた想い。<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

text by

林田順子

林田順子Junko Hayashida

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Naoya Sanuki

 今年でニューヨーク・ヤンキースとの契約最終年を迎える田中将大。本来であれば、正念場のシーズンであるが、現在メジャーリーグは新型コロナウイルスの影響で、開幕の目処は立っていない。
 キャンプ地・フロリダで田中の取材を行なったのは、感染拡大が深刻化する前。それからほどなくして、田中は感染だけでない、身の危険を感じたことで、家族とともに一時帰国した。
 状況は日々刻々と変化しているが、田中は今シーズンをどんな心持ちで迎えようとしていたのか。
 取材は、前回の本稿で、同じア・リーグに移籍した前田健太が「将大に勝ったと思ったことはない」と言っていたと伝えたところから始まった。

 健太も、よう言いますよ(笑)。

 先に甲子園に出たのは健太だし、中学時代だって健太は全国大会で事実上の決勝戦と言われた試合で登板して。その時、僕はその横でボールボーイしてましたからね。

 健太とは、日本にいたときも含めて、同じリーグになるのは初めてなので、今シーズンが、今までで一番投げ合う確率は高いですね。

 今、改めて考えてみたんですが、やっぱりライバルって必要かもしれない。日本にいるときは、意識する相手がいて、相手よりも上回ってやろうという気持ちがやっぱりあって。

 メジャーリーグにもダルさん(ダルビッシュ有)をはじめ、いろいろな選手がいますけど、チーム数も多いし、同じリーグにいても全然顔を合わせないんですよ。日本にいたときは対戦も頻繁にあったし、近く感じていたけれど、今はそういうのがない。でも切磋琢磨する相手がいた方が刺激になりますよね。

 昨シーズンは、うまくいかなかった年でした。ミスや悩んだことを挙げたらきりがないですよ。

 でも肘のクリーニング手術をして、チームの投手コーチやトレーニングコーチも新しくなって、投球に対してのアプローチの仕方や、練習方法も変わって。新しい形になったことで、いろいろな発見があるし、刺激的な毎日を送れているので、いい方向にいくんじゃないかと思っています。

【次ページ】 結果を残せば称賛されるわけだから。

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