酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
イチローが21世紀に刻む大記録とは。
MLBで異次元だった「魔法の杖」。
posted2020/04/09 11:40
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Naoya Sanuki
祝Number1000号。
私は1号を手にしたときに大学生だったが、多くの学生などと同様に「Number1」が雑誌名だと思った。このまま数が増えていくのかと思ったものだ。
「江夏の21球」や海老沢泰久さんのF1のドキュメント、それに玉木正之さんのプロ野球論など、本当に堪能した。感謝の言葉しかない。
イチローはNumberがあったおかげで、その光彩がさらに鮮やかに輝いた選手の2人だろう。NPB記録の210安打を打って世間の度肝を抜いた1994年から、MLBへの挑戦、MLB最多安打を記録した2004年、そしてまだ記憶に新しい引退劇まで、イチローの歩みはNumberの特集を読むだけでたどることができる。
1000号の表紙もそうだが、素晴らしい写真ともども、イチローほどNumberの表紙が似合ったプロ野球選手はいないと思う。
イチローの凄いシングルヒット数。
新型コロナ禍で沈みがちな昨今だが、今回はイチローの偉大な記録についてうんちくを傾けたい。
「え? イチローの記録なんて、もう出尽くしているんじゃないのか?」という声も聞こえてきそうだが……何の、まだまだありますって、今回はシングルヒットである。
<MLBのシーズンシングルヒット10傑>
※二:二塁打、三:三塁打、本:本塁打
1 イチロー 2004年/225単打
(262安打 24二 5三 8本)
2 W・キーラー 1898年/206単打
(216安打 7二2三1本)
3 イチロー 2007年/203単打
(238安打 22二 7三 6本)
4 L・ウエイナー 1927年/198単打
(223安打 17二 6三 2本)
5 W・キーラー 1897年/193単打
(239安打 27二 19三 0本)
6 イチロー 2001年/192単打
(242安打 34二 8三 8本)
7 J・バーケット 1896年/191単打
(240安打 27二 16三 6本)
8 W・キーラー 1899年/190単打
(216安打 12二 13三 1本)
9 W・ボッグス 1985年/187単打
(240安打 42二 3三 8本)
10 J・バーケット 1898年/186単打
(213安打 18二 9三 0本)
10 イチロー2006年/186単打
(224安打 20二 9三 9本)