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やっぱりデムーロとオルフェだった。
ラッキーライラックが大阪杯を完勝。

posted2020/04/06 11:50

 
やっぱりデムーロとオルフェだった。ラッキーライラックが大阪杯を完勝。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

ラッキーライラックとアーモンドアイ、今やったらどちらが……そんな想像をかきたてる同世代の名牝たちである。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Yuji Takahashi

 中距離の王者を決める第64回大阪杯(4月5日、阪神芝2000m、4歳以上GI)は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、前週の高松宮記念につづき無観客で行われた。

 5頭のGIホースが 出走したこのレースを、ミルコ・デムーロが騎乗したラッキーライラック(牝5歳、父オルフェーヴル、栗東・松永幹夫厩舎)が優勝。同世代の最強牝馬アーモンドアイとの再戦が楽しみになる、価値あるGI3勝目を挙げた。

 やはり、こういうときはデムーロとオルフェーヴルなのか。

 9年前、東日本大震災が発生した2011年。発災から2週間ほどしか経っていなかった3月26日のドバイワールドカップを日本馬として初めてヴィクトワールピサが制し、遠く離れた日本を元気づけた。その背にいたのがデムーロだった。

 そして同年、史上7頭目の三冠馬となったのがオルフェーヴルだった。2017年の阪神ジュベナイルフィリーズで、オルフェ産駒として初めてGIを制した孝行娘のラッキーライラックが、世界中がコロナに苦しめられている今、満開の桜に囲まれた阪神競馬場で大仕事をやってのけた。

スタートから前走とは「別の馬」。

 観客もいなければ、ファンファーレの生演奏も行われない。そんななか、12頭の出走馬がゲートを飛び出した。

 最も速いスタートを切ったのはラッキーライラックだった。

「思っていたより少し前(のポジション)になりました。今日は仕上がりがよく、馬がレースに集中していた。スタートを上手く出てくれました。この前の中山記念(2着)は反応が悪かったけど、今日は、スタートからぜんぜん別の馬だった」

 そう話したデムーロが軽く促しただけでハナに立ち、ゲートを出たなりのまま進んでいく。

【次ページ】 すり抜けた馬1頭ぶんのスペース。

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