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宇野昌磨&羽生結弦&鍵山優真。
今季最高の“神会見”を振り返る。
posted2020/03/28 20:00
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
Asami Enomoto
それはそれは尊い時間だった。
2019年12月22日、東京・代々木第一体育館。フィギュアスケート全日本選手権男子シングルのメダリスト3人による記者会見は、それ自体がひとつのエンターテインメントだった。
壇上に着座したのは、どん底だったグランプリ(GP)シリーズから感動的な復活を見せて、4連覇を果たした宇野昌磨。
ひと月で3大会に出る過酷なスケジュールに立ち向かい、4年ぶりの全日本出場で2位になった羽生結弦。
そして、ショートプログラム7位からノーミスのフリーで3位まで上がった超新星の鍵山優真。
主要国際大会に匹敵する熱量。
情熱とサプライズが満載だった戦いを、選手自身はどのように受け止めているのか。
多くの報道陣で埋め尽くされた会見場には、主要国際大会に匹敵する熱量が漂っていた。
今季、コーチ不在でシーズンをスタートさせた宇野は、GPシリーズフランス杯でミスを連発して涙を流すなど、痛々しさすら感じさせる序盤戦を過ごした。
しかし、ステファン・ランビエルコーチとの練習を始めてから調子を取り戻し、上昇の兆しを感じながら全日本に臨んでいた。
12月20日にあったショートプログラムでは観衆の胸に響く復活劇を演じた。2種類の4回転ジャンプはもちろん、最後のコレオシークエンスには氷を溶かしてしまいそうな放熱があった。
羽生に続く2位でフリーを迎え、逆転で優勝した。