フィギュアスケートPRESSBACK NUMBER
宇野昌磨&羽生結弦&鍵山優真。
今季最高の“神会見”を振り返る。
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byAsami Enomoto
posted2020/03/28 20:00
会見場で視線を合わせながら笑顔で会話を交わす宇野(左)と羽生(中)。その2人を鍵山が眩しそうに見つめる。
16歳の鍵山がじっと耳を傾けていた。
大事なことがある。
平昌五輪の金銀メダリストのすぐ横で、16歳の鍵山がじっと耳を傾けていたことである。無垢な見た目の通り、おそらく鍵山は2人の言葉をすべて金言として余すところなく吸収していた。
公式練習で羽生の滑りやジャンプを間近に見て興奮気味に目を輝かせてもいたが、表情を変えることなく耳に刻んだ2人のやりとりも、鍵山の財産となったに違いない。
鍵山は20年2月の四大陸選手権で見事3位になり、優勝した羽生と一緒に表彰台に上がった。
ユースオリンピック1位、世界ジュニア選手権2位。今後は、同学年の佐藤駿とともに、男子フィギュア界のレベルをさらに高めていくだろう。
3月。カナダ・モントリオールで行なわれる予定だった世界選手権は、新型コロナウィルスの感染拡大により、急きょ中止になり、スケートシーズンは突然に幕を下ろすことになった。
蓄えたエネルギーを放出する舞台は来季。そのときが今から待ち遠しい。