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「機械説」も出た正確なシューター。
三河・金丸晃輔、3Pと五輪への思い。
text by
石川歩Ayumi Ishikawa
photograph by(c)B.LEAGUE
posted2020/03/27 19:00
3月15日の横浜戦で、リーグ最多成功記録タイの11本の3Pを決めた三河・金丸。
「ちょっと、突っ走ろうかなって思っています」
日本代表の経験を経て、次に見据えるのはオリンピック出場だろう。アジアカップ予選の金丸のパフォーマンスを見て、オリンピックに期待を寄せるファンも多いはずだ。1年程度の延期が決定したオリンピックについて、現在の心境を聞いた。
「当然、オリンピックは出たいです。今年開催すると思って準備をしていたので残念ですが、延期の影響を受けないように、しっかりやっていきます。アメリカに行っている3人も参加して競争は激しくなるし、選ばれるのは簡単じゃないと思う。今回代表に入ったことはリセットして、もう一度チャレジンしないとダメですね。
今はコロナの影響でこういう状況なので、モチベーションを保つのが難しい部分はあるのですが、バスケをやっている以上は目標をぶらさずに、1年間の準備期間ができたとプラスに考えて、練習から高いモチベーションを持って取り組んでいます。今は、ちょっと突っ走ろうかなって思っていますよ」
3月15日の横浜戦、4Q残り3分26秒――張り付くような赤穂雷太のディフェンスがわずかに遅れたところで金丸が放った11本目の3ポイントは、きれいにゴールに吸い込まれた。チームは96-82で勝ち、金丸はリーグ最多3P成功記録タイの11本を決め、B1歴代3位の1試合45得点という結果を残した。
大記録、その後。
金丸の大記録には、後日談がある。
「横浜戦の結果は、満足しています。でも実は、大学2年のリーグ戦で18本中15本の3ポイントを入れたことがあるんです。大学とプロは違うけれど、そういう経験を持っていたので、正直そこまでなんです。
ただ、試合の日の翌朝、下の子(5歳・長男)に『3ポイントばっかだったじゃん』って言われて……可愛いんっすよ(笑)。子どもにそう言ってもらえるのが嬉しいので、これからも勝って、できるだけ頑張っている姿を見せたいです」
コロナウイルスの影響で、Bリーグは全試合の中止を決定した。しかし、高いモチベーションを持つ価値を再認識した金丸は、今日も淡々と準備をしているだろう。
あの横浜戦で金丸が浴びるはずだった大きな歓声は、金丸のプレーを会場で見るそのときまで、私たちのなかにしまっておこう。