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「国家非常事態宣言」までの2日間。
米国スポーツ、分刻みのコロナ禍。 

text by

ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2020/03/24 07:30

「国家非常事態宣言」までの2日間。米国スポーツ、分刻みのコロナ禍。<Number Web> photograph by AFLO

アリゾナでトレーニングを続ける菊池雄星。モチベーションの維持も難しい状況だ。

MLBではまだ選手の感染者は発覚していない。

 少し気になるのは、ほかのスポーツ界やマイナーリーグ、キャンプ施設で働くパート従業員がコロナウイルス検査で陽性反応が出たという事実があるのに、いまだにメジャーリーグでは感染者が出たという話を聞かないことだ。

 メジャーリーグの開幕延期が決まった時、カブスのセオ・エプスタイン編成本部長に「カブスの選手たちはコロナウイルス検査を受けたのか?」という質問が向けられた。同編成本部長はこう答えている。

「検査については、この国自体がとても遅れている」

 全員がテストを受けたわけではないので、チームに感染者がいるかどうか分からない――。

 その「一抹の不安」は私のようにアメリカに住む他の人々とまったく同じ状況であり、合衆国政府が「不要不急の場合以外は控えること」と事実上の外出禁止令を出すより先に、幾つかの球団がキャンプ施設を完全に閉鎖して、選手たちを家に戻したことに繋がっている。

閑散とする商業地域。

 家族の承認を得て、リスクを承知でキャンプ取材を中断して家に戻る途中、普段は渋滞するはずのシカゴ郊外の高速道路や、夕方には買い物客でにぎわう近所の商業地域が閑散としている風景に出くわしながら、「自分は感染していない」と信じ切れないこと、そして、その感覚に慣れている自分が怖かった。

 今はただ、自分や周りの人が発症しないことを願いながら、何か明るい話題を見つけて、次回のコラムに反映したいと思うのみである。

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