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元日本代表が語る“ホッケー世界地図”。
さくらジャパンのライバルはどこだ?
posted2020/03/27 11:00
text by
別府響(文藝春秋)Hibiki Beppu
photograph by
Hideki Sugiyama
だが、同時に各国のライバルたちも虎視眈々とその牙を研いでいる。
各強豪国の特色とチームカラーを、元日本代表の藤尾香織さんが解説する。
女子ホッケー界では近年まで世界ランキング1位の女王・オランダが図抜けていた印象だったのですが、現在はオランダも少し苦戦している気がします。得点を取るのに苦労している感じで、突き抜けた強さがなくなっているように思います。
昨年7月に行われた「さくらジャパン」とのテストマッチでも、ほぼベストメンバーを揃えたにも関わらず3-2、3-1と2試合とも接戦でした。世界ランキングでは13位の日本の実力が上がって来ていることもありますが、少し停滞している印象です。
とはいえ、やはり底力はありますね。劣勢の中でも最後はしっかり勝ちきる。どんな形であっても、泥臭く得点をしてくる迫力はランキング上位の国の特徴だと思います。
FIH 女子ホッケー世界ランキング(2020.3.18現在)
1 オランダ
2 アルゼンチン
3 オーストラリア
4 ドイツ
5 イングランド
6 ニュージーランド
7 スペイン
8 アイルランド
9 インド
10 中国
11 ベルギー
12 韓国
13 日本
欧州ではホッケーは人気スポーツで、特にオランダでは女子の人気No.1なんです。選手も子どもたちからアイドル視されていて、才能のある子が集まりやすい環境。欧州勢は高身長の選手が多く、競り合いにも強い。ダイナミックなプレーが持ち味ですね。
世界ランキング3位のオーストラリアや同6位のニュージーランドといったオセアニア勢は組織力が高く、フィジカルを生かしたパワフルなプレーをしてきます。欧州勢同様に、身長も高いですし、そつのないプレーをしてくる印象です。