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バド男子ダブルス初の全英OP優勝。
11歳差ペア、五輪へ高まる完成度。
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph byItaru Chiba
posted2020/03/16 20:00
日本男子ダブルス史上初の全英オープン優勝を飾った遠藤(前)と渡辺。経験豊富なベテランと進化を続ける22歳の、東京五輪を目指す戦いに注目したい。
11歳年下の相棒と目指す東京。
第1ゲームは終盤の4連続ポイントなどで遠藤と渡辺が21-18と先取するも、第2ゲームは12-21で落とした。最終第3ゲームはリードしながらも終盤、追いつかれる展開に。激しいラリーの攻防が続く。それでも遠藤と渡辺は焦らなかった。相手の強烈なスマッシュをことごとく拾いまくると、息の合ったコンビネーションで連続スマッシュを次々と決めていく。最後はギデオン/スカムルジョのミスを誘って、21-19で勝利。2人は勝利のガッツポーズで喜びを爆発させた。
4年前の大舞台—— 。現在、日本ユニシスのコーチを務める早川賢一とともに日本男子ダブルス史上最強ペアと言われた遠藤は、2016年リオデジャネイロ五輪に出場した。1次リーグでは中国、インドネシアの強敵に連勝し、メダルも視野に入る勢いを見せていたが、3戦目前の練習中に早川がぎっくり腰を発症してしまい、決勝トーナメント初戦の準々決勝でイギリスのペアに敗れた。
リオ五輪後、早川は現役を引退。遠藤は同じチームに所属していた渡辺にペアを組んで欲しいと言われ、11歳年下の相棒と新しいペアで東京を目指すこととなった。
渡辺も実感する手応え。
結成から3年半。優勝した昨年末の全日本総合選手権後にも、「1試合の中でいろいろなゲームが作れるようになっている」と話していたように、若い相棒の成長と連係の完成度が高まっていることを遠藤は実感している。
一方、年下の渡辺も「ローテーションが崩れたときにただポイントを失ってしまうのではなく、どんな形でもポイントにつなげられるようになっているし、ローテーションが崩れても立て直す努力が最近はできてきている」と手応えを感じているようだった。