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「親への一生の恩返しになる」
スケボー白井空良、五輪で金を狙う。 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

PROFILE

photograph by Yuki Suenaga

posted2020/03/08 08:00

「親への一生の恩返しになる」スケボー白井空良、五輪で金を狙う。<Number Web> photograph by  Yuki Suenaga

白井は、手すりや階段などを模した構造物を使って技を繰り出す「ストリート」で東京五輪の金メダルを目指す。

スキルが上がった理由とは?

 そして成長の要因を、こう語る。

「世界大会に出始めて、世界レベル、トップの選手とのレベルの差を知って、すごく練習するようになり、スキルが上がりました」

 単純に練習量を増やすのではなく、難しい技に時間をかけて打ち込むなど、内容が変わったという。

 白井がスケートボードを始めたのは5歳の頃。両親に勧められたのがきっかけだった。

 いつのまにか、スケートボードの魅力にのめりこんでいた。

 自宅から「自転車で15分くらい」のところに、スケートパークがあった。学校が終われば、通って練習してきた。

 いつしか、大会でも活躍し、国内で知られる存在となっていた。

「今は1日に4、5時間、練習しています」

「英語はできないけれど、雰囲気で伝わってきます」

 白井をそこまで向かわせるスケートボードの魅力は何か。

「技ができたときの達成感がいちばんうれしいですよね」

 大会を重ねる中で、さらに魅力を感じた。

「技をメイクした(技を決めた)とき、周りのみんなも喜んでくれるんです」

 それは国内に限らない。

「海外でも、『すごいね』とか『そんな技できるんだ』と言ってくれるんです。英語はできないけれど、雰囲気で伝わってきます」

 スケボーに取り組む国内外の選手たちは、競い合うライバルでありつつ、技に対して称賛を惜しまない、そんなスケートボードの文化もまた、白井が打ち込む原動力となった。

【次ページ】 「世界の誰もできない、自分だけの技をする」

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