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高田千明「走り幅跳びに挑戦したい!」
突然の転向に大森コーチは何を思った? 

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松岡修造

松岡修造Shuzo Matsuoka

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photograph byNanae Suzuki

posted2020/03/09 07:30

高田千明「走り幅跳びに挑戦したい!」突然の転向に大森コーチは何を思った?<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

高田千明さんと大森盛一コーチのトレーニング風景。1本の紐で信頼は繋がっている。

「またそこで事件が起きるんですよ」

松岡「まさに夢が叶った瞬間ですね。両親もさすがに褒めてくれたでしょ」

高田「日本代表に内定したとき、両親に電話をしたら、父親はめちゃくちゃ泣いてました。家に帰って、さっ(諭樹)くんを抱きしめて、『ママ出られるんだよ』って言ったら、『今度はどんだけ家にいないの』って怒られたんだよね(笑)」

 照れくさそうにうなずく諭樹くん。松岡さんが微笑みかける。

松岡「頑張ったんだな、君も。それで、リオには連れていってもらえたの?」

大森「またそこで事件が起きるんですよ」

松岡「また! 今度は何ですか」

高田「地球の反対側まで両親が息子を連れて応援に来てくれたんですけど、飛行機が雷雨とエンジントラブルで遅れに遅れて……。結局、ママの試合は途中の空港でスマホを通して見たんだよね(笑)」

 母親からの問いかけにコクンとうなずく諭樹くん。「でも次は東京だから安心」と母親の勇姿を今度こそ生で観戦するのを心待ちにしている様子だ。

(構成:小堀隆司)

高田千明(たかだ・ちあき)

1984年10月14日、東京都生まれ。パラリンピック陸上競技選手。専門は走り幅跳びと100mで両競技の日本記録保持者。パラリンピックにおける障害クラスはT11(視覚障害・全盲)クラス。2020年東京パラリンピック走り幅跳びの日本代表に内定している。2018年アジアパラ競技大会で走り幅跳び銀メダル。'17年世界パラ陸上競技選手権大会で走り幅跳び銀メダル。'14年アジアパラ競技大会で走り幅跳び銀メダル。'11年、IBSA世界大会で200m銀メダル、100m銅メダル。ほけんの窓口グループ所属。

大森盛一(おおもり・しげかず)

1972年7月9日、富山県生まれ。'92年バルセロナ五輪1600mリレー日本代表。'96年アトランタ五輪では400mと1600mリレーに出場。リレー決勝ではアンカーを走り、64年ぶりの5位入賞を果たす。このときの日本記録3分0秒76は現在も破られていない。日本選手権では'94、'96年に400mで優勝。2000年に引退。'08年に陸上クラブ「アスリートフォレスト トラッククラブ」を設立し、サニブラウン・ハキーム選手を指導した実績も。現在は高田千明選手のコーチ、ガイドランナー兼コーラーも務めている。

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