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「10年後……どうなってるんだろう」
石川遼の焦燥、PGAツアー2戦を経て。 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byYoichi Katsuragawa

posted2020/03/04 11:40

「10年後……どうなってるんだろう」石川遼の焦燥、PGAツアー2戦を経て。<Number Web> photograph by Yoichi Katsuragawa

PGAツアーにスポット参戦した石川遼。思うような結果が出ず、胸の内を話した。

同じ土俵に立っていない。

「ショートゲームはドライバーとアイアンに比べたら、自分の考え方が“どっしり”としてますね。一緒に回って『コイツ、すごいうまい』と思ったら、負けないように頑張ろうとシンプルに、前向きに悔しいと思える。でも、ロングゲームになると負けを潔く認めてしまう。“純度100%”の悔しさではない。だから、自分はすごく遠いところにいる」

 負けても純粋に悔しいと思えない。「同じ土俵に立っていない」。それこそが圧倒されたことの裏返しだろう。解決につながる道がいまは深い霧のなかにある。

 ホンダクラシックで、本人が実力差を痛感したホールがある。当地は18ホールのうち半分以上で池が絡み、石川も2日間で4回ボールを落としたが、問題はそこではなかった。

 7番は4つあるパー3のうち、もっとも距離がある。

「長くて、風は右からのアゲンストで、グリーン右手前のピン。それをピン左3mに落とす自信はいまない」

 初日、ピンまで実測距離は196ヤード。5番アイアンでのティショットは左手前のバンカーに落ちた。

“奇跡”はとっくの昔におしまい。

 翌2日目は同じ5アイアンでピンそば1メートルにつけた。だが、それで気持ちが晴れるわけでもない。1度の成功より失敗のほうが頭に残る。

「毎日、結果は1回しか出ないけれど、10回のうちに1回しかできないことを気迫でやりきるのか、10回のうち5、6回、何回できるのかというのは違う話。僕は15歳で、プロ並みの技術がないのにプロの試合に勝ってしまった。プロになってからも、“10回に1回”が続いた、そんな感じでここまで来ているんだと思う」と厳しく言った。

 限りなく可能性の低い、奇跡に頼る時期は、もうとっくの昔におしまい。ベースの実力を見つめ直す必要があるという。

【次ページ】 日本から巣立ったライバルたち。

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