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猛攻サントリーと「12番ギタウ」。
SO田村熙との良好な関係性とは。
text by
谷川良介Ryosuke Tanikawa
photograph byKyodo News
posted2020/02/26 11:40
日野戦では2トライをマークしたマット・ギタウ。178cmと小柄ながらあらゆるBKのポジションをこなす器用さで、ワラビーズでも主力として活躍した。
田村が学ぶギタウの練習態度。
後半もパスダミーからトライゾーンへ侵入するなど、最後まで力を緩めない――。トレードマークでもある黒いヘッドキャップを装着した司令塔に対し、田村は尊敬の眼差しを向ける。
「ギッツ(ギタウ)は一度の練習をあれだけ全力で取り組む。僕はまだキャリアが浅いですが、彼のようなレベルの選手でさえ、そういうところを大事にしている。それを近くで観られる環境にいることは自信になります」
開幕戦直後、「理想は15人がオプションになること。これからよくなっていくと思う」と話していた期待のSOは、自身とギタウの関係性も含めて、着実にチームの成長を実感しているようだった。
現時点ですでに2敗を喫しており、優勝を狙うなら負けられない試合は続く。だが、田村の言葉が頼もしい。
「もう負けられないというメンタルは個人的にはない。僕たちはチャンピオンではない。負けることを恐れ、慎重になったところでうまくいくチームではない。自分たちのスタイルを信じてやれば後から結果はついてくると思います。2敗したからこそ、やることはシンプルになった。ひとつずつよくなっているので、しっかりと足元を見ながら進んでいきたい」
サントリーは、神戸製鋼にこそすでに敗れているが、第8節にヤマハ、第13節にはパナソニックとの対戦を控えており、上位を食うチャンスがまだ残っている。上位4チームが出場する日本選手権出場枠の争いも見ものだ。新型コロナウイルスの対策によって今後の日程に影響が出るかもしれないが、アグレッシブに攻めるサントリーラグビーが中盤戦以降のトップリーグを盛り上げていく。