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Jをめぐる冒険BACK NUMBER
「これがレノファブランドなんだ」
J2山口・霜田監督の育成術、後編。
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byNorio Rokukawa
posted2020/02/22 11:55
タイキャンプ中、熱心に指導する霜田正浩監督。レノファ山口の2020シーズンの冒険は必見だ。
同じフィロソフィで選手を育てて。
――クラブの基盤も作りたいとおっしゃっていました。その点においては、攻撃的なスタイルを築き、育成クラブとしてのブランドを確立しつつあると思います。
「あとは結果が伴うと一番いいんだけどね(笑)。去年のホーム最終戦で、16歳の河野孝汰を使ったんです。この試合のあとには坪井の引退セレモニーがあったから、本当は最後の1枠で坪井を出場させたかったんだけど、2-0から3点取られて、ひっくり返されてしまった。
そこで最後、CBを入れるわけにいかない。もう昇降格は関係ないんだから、坪井を出してあげれば、という声もあったと思うし、僕自身にも、試合を捨ててでも坪井を、という気持ちもあったんだけど、やっぱり最後まで勝利を諦めちゃいけないなと」
――試合中に迷いがあったというか。
「一瞬ね。でも、坪井に対しても失礼だと思った。そこでFWを入れようと。それに、本当に孝汰を入れれば追いつけるんじゃないかとも思った。そのくらい、練習でのパフォーマンスが良かったから。まだ16歳だけど、楽しみな選手が出てきた。何が嬉しいって、孝汰はジュニアユースからユースに昇格した選手なんだけど、今まで、そういう選手はみんな、他県のユースに行っていたんです」
――サンフレッチェ広島に行ったり、アビスパ福岡に行ったり。
「それが、うちのユースに上がってくれた。これは育てなきゃいけないなと。そういう選手が少しずつ出てきたし、うちはトップチームの練習中、アカデミーのスタッフもジャージ着てピッチに立っている。
そうやってトップ、育成、関係なくひとつのピラミッドを作って、同じフィロソフィのもとで選手を育てていこうとしている。これがレノファブランドなんだと、もっとアピールしたい。そのためにも、結果を出さなきゃいけないと思っています」