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日本有数のオールラウンダーは19歳。
湘南・鈴木冬一の五輪の目指し方。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2020/02/18 19:00
セレッソユースから長崎総合科学大学附属高校を経てベルマーレへ。鈴木冬一は思考にも骨があるのだ。
1年目は22試合、2年目は?
そのために、2年目の湘南で定位置をつかむことを誓う。昨シーズンの22試合を上回る数字を残すだけでなく、勝敗に対する責任も背負う覚悟がある。
「新人とかルーキーと言われるのは1年目だけで、2年目からはいつクビを切られてもおかしくない職業だと僕は思っています。1年、1年が勝負です。
昨シーズンのリーグ戦では10試合連続で勝てないことを経験して、プレーオフでJ1に残留した。そういうなかで、ピッチに立つ以上は年齢に関係なく勝利に貢献しなければいけないと、強く感じましたし」
まずは「とにかく湘南で結果を」。
ポジション争いは激しい。左ウイングバックのレギュラー格で東京五輪世代の杉岡大暉は鹿島アントラーズへ移籍したが、サイドを主戦場とする選手が新たに加わっている。
新シーズン初の公式戦となった2月16日のルヴァンカップでは、レンタルバックの石原広教が右アウトサイドで、川崎フロンターレから加入した馬渡和彰が左アウトサイドで、それぞれスタメン出場した。鈴木はベンチ入りしていたものの、浮島敏監督から「行くぞ」の声はかからなかった。
試合後には悔しそうな表情をのぞかせた。それでも口調はなめらかである。スタメンに食い込んでいく準備は、できているからなのだろう。
「シーズン前のキャンプからしっかりコンディションを作ってきました。あとは監督に使ってもらうだけなので、練習からしっかりやっていくことだけを考えています」
昨年11月の初招集でつかんだ「小さな光」を、眩しい輝きを放つものとするために。「とにかく湘南で結果を残すこと」を心の真ん中へ刻んで、鈴木は五輪イヤーを迎えている。