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日本有数のオールラウンダーは19歳。
湘南・鈴木冬一の五輪の目指し方。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2020/02/18 19:00
セレッソユースから長崎総合科学大学附属高校を経てベルマーレへ。鈴木冬一は思考にも骨があるのだ。
膨れ上がる「五輪に出たい」。
果たして、12月末のU-22ジャマイカ代表戦にも名を連ね、残り10分を切ったところでピッチに立つ。3-4-2-1の左アウトサイドからチームの7点目に絡み、直後に自らも決定的なシュートを浴びせた。
「少ない時間でもチャンスをもらったことで、何か小さな光をつかんだというか。やっぱり招集されたことで、五輪に出たいという思いはどんどん強くなっています。競争はホントに大変だと思います。オーバーエイジの選手が3人入ってくるとすれば、フィールドプレーヤーの五輪世代は13人ですからね。
正直に言えば、無理かなと思ったこともありましたけど、呼ばれたことであの選手を今後も見ようという状況になっていくとは思うので、あとは、自分が試合に出て見せられるかが一番大事ですよね」
複数のポジションができることについては、「ひとつの強みだとは思います」と言う。「大きな」でも「最大」でもなく「ひとつの」としているところに、心の内側が透けて見える。ポリバレントであるだけでなくさらに高い視線で、鈴木は東京五輪へのビジョンを描いているのだ。
本職以上のクオリティを。
「どのポジションでもハイクオリティを出す。どこのポジションでも本業にしている選手にも負けない、劣りたくない。代表の活動では、そこを課題にしています。去年の11月の活動ではシャドーにも入って、タケ(久保建英)とか(堂安)律くんとかを生で見て思うこともありました。
シャドーなら彼ら以上のプレーができなければいけないし、なおかつ自分しかできないウイングバックのプレーがあるので、どのポジションでも、左でも右でも、自分の色を出しながらハイクオリティのパフォーマンスをするのが、自分には一番大事かなと思います」