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共同通信杯を前に振り返りたい、
ディーマジェスティの“奇跡の血統”。
posted2020/02/14 19:00
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Satoshi Hiramatsu
今週末、東京競馬場では共同通信杯(GIII、芝1800メートル)が行われる。3歳馬の中距離重賞。後のクラシック戦線である皐月賞や日本ダービーにもつながる重要な一戦だ。
4年前の2016年、このレースを制したのがディーマジェスティだ。
ディーマジェスティは父ディープインパクト、母エルメスティアラ、母の父はブライアンズタイムという血統。現在は勇退した、美浦の二ノ宮敬宇調教師が管理していた。
前年の'15年、9月の札幌競馬場、芝1500メートルの新馬戦でデビュー。ここは逃げたキングライオンの逃げ切りを許し、ハナ差の2着に敗れ、同月の中山競馬場芝1800メートルの未勝利戦で蛯名正義騎手が騎乗しまたも2着。続く11月の東京競馬場、芝2000メートルの未勝利戦で3戦目にして勝ち上がった。
年末には当時GIIだったホープフルS(中山競馬場芝2000メートル)にエントリーしたが、レース当日の朝にフレグモーネを発症。出走取り消しとなった。
信じられない追い込みで重賞制覇。
こうして迎えたのが'16年2月14日に行われた共同通信杯だった。その前に出走予定だったホープフルSは取り消しになっていたため、実戦に辿り着いたのは前年11月の未勝利戦以来。2カ月半以上の間が開いていた。しかもこれが昇級初戦。重賞はもちろんオープンで走るのも初めてという事で単勝は22.6倍。10頭立ての6番人気の支持にしか過ぎなかった。
1番人気に推されたのはハートレー(美浦・手塚貴久厩舎)。ディーマジェスティが出走を取り消したホープフルSの勝者で、ここまで2戦2勝。単勝は1.9倍という圧倒的な支持を得ていた。
また、東京スポーツ杯2歳S(GIII)の覇者で、ここまで3戦して2勝のスマートオーディン(栗東・松田国英厩舎)が武豊騎手を背に単勝3.1倍の2番人気。オッズ的には二強の様相を呈していた。
しかし、蓋を開けると人気の2頭はいずれも良いところなし(ハートレーがブービーの9着に敗れ、スマートオーディンも6着)。対するディーマジェスティは人気薄だったのが信じられないくらいの追い込みを決め、2着のイモータルを1と4分の1馬身離してゴール。皆を驚かせて初重賞制覇を飾ってみせた。