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共同通信杯を前に振り返りたい、
ディーマジェスティの“奇跡の血統”。 

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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photograph bySatoshi Hiramatsu

posted2020/02/14 19:00

共同通信杯を前に振り返りたい、ディーマジェスティの“奇跡の血統”。<Number Web> photograph by Satoshi Hiramatsu

2016年の共同通信杯を制したディーマジェスティ。引退後は種牡馬となり、初年度は78頭に種付け。2021年に産駒がデビューする。

シンコウエルメスの系譜。

 ディーマジェスティの母は先述した通りエルメスティアラという馬だった。この馬から更に遡った母はシンコウエルメスといった。シンコウエルメスの父は当時ヨーロッパのリーディングサイアーだったSadler's Wellsで母はDoff the Derby。母Doff the Derbyの産駒、つまりシンコウエルメスの兄姉には本場イギリスのダービー馬であるジェネラスや同オークス馬のイマジンがいる超良血馬だった。

 このシンコウエルメスは美浦・藤沢和雄厩舎から1996年にデビュー。未勝利戦で5着に敗れた後、美浦での調教中に重度の骨折をしてしまう。それは安楽死も止むなしという大怪我だったが、藤沢和雄調教師が「何とか生かしてあげられないか?」と獣医師に懇願。その結果、全身麻酔をかけて3時間に及ぶ大手術で患部に4本のボルトを入れたシンコウエルメスは一命をとりとめた。

 こうして文字に起こすと何ということもないように思えてしまうかもしれない。しかし、実際には術後も蹄葉炎や感染症の予防に努めながらようやく牧場へ送り返せるまでの体調に戻ったのは、大手術から実に3カ月も後の話だったのである。

 何とかその命の灯を絶やさずに済んだシンコウエルメスは繁殖牝馬としてエルメスティアラを産み、そのエルメスティアラが今回紹介したディーマジェスティを世に出した。

 ちなみに昨年、スプリンターズS(GI)を制したタワーオブロンドン(美浦・藤沢和雄厩舎)は母がスノーパインでその母がシンコウエルメスという血統。やはり、奇跡的に世に出る事が出来た血統なのであった。

 さて、今週末の共同通信杯ではどんなドラマが待っているだろうか。期待したい。

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#ディーマジェスティ

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