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テコンドー界に新風起こす鈴木兄弟。
兄はテクニシャン、弟はパワー型。
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph byYohei Osada/AFLO SPORT
posted2020/02/14 07:00
兄弟そろって東京五輪出場を決めた鈴木セルヒオ(右)とリカルド。応援に駆け付けた両親に挟まれ、安堵の表情を見せた。
兄も認めるリカルドのポテンシャル。
兄弟でもファイトスタイルは水と油。セルヒオがテクニシャンタイプなら、リカルドはパワータイプだ。リカルドはセルヒオの闘いぶりを次のように分析している。
「兄は間合いやタイミングのとり方がすごくうまい。それだけで勝っているところもすごい」
一方、リカルドはポテンシャルの塊。セルヒオは「技術的な部分は自分の方がまだまだ上」と前置きしながら、「体の強さやバネは敵わない」と評した。父である健二さんも「リカルドはモンスター」と驚く。
「今大会もあとは心の問題だけで、それさえクリアーしてくれたら、代表枠をとってくれるだろうと期待していました。いまはまだガラスだけど、もうすぐダイヤモンドになる」
兄弟であるがゆえに、お互いのウィークポイントは熟知している。セルヒオはこれからリカルドとより一層強いスクラムを組むことを示唆した。
「弟は誰かがケツを叩かないとやらない子。東京オリンピックまでは俺についてこい、という感じですね」
ボリビアからやってきた異色の兄弟は新体制になったばかりの日本テコンドー界に二人三脚で新風を吹かすことができるか。