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ソフトバンク救援陣の奪三振率に注目。
ドラフトでも読み取れる王者の戦略。 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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posted2020/02/11 11:40

ソフトバンク救援陣の奪三振率に注目。ドラフトでも読み取れる王者の戦略。<Number Web> photograph by Kyodo News

甲斐野央を始め、高い奪三振率を誇ったソフトバンクのリリーフ陣。計画的なドラフト戦略が功を奏している。

40回以上登板のリリーフ投手。

<西武>
平井克典(5位)
82.1回、防御率3.50、奪三振率7.21、与四死球率4.15
増田達至(1位)
69.2回、防御率1.81、奪三振率9.56、与四死球率1.29
佐野泰雄(2位)
67.2回、防御率4.39、奪三振率5.19、与四死球率4.79
マーティン ※退団
41.2回、防御率3.67、奪三振率7.77、与四死球率7.77

<ソフトバンク>
モイネロ
59.1回、防御率1.52、奪三振率13.04、与四死球率4.70
甲斐野央(1位)
58.2回、防御率4.14、奪三振率11.20、与四死球率5.83
森唯斗(2位)
53回、防御率2.21、奪三振率10.02、与四死球率2.55
松田遼馬(5位)
52回、防御率3.81、奪三振率9.87、与四死球率6.06
高橋純平(1位)
51回、防御率2.65、奪三振率10.24、与四死球率3.88
椎野新(4位)
46回、防御率3.13、奪三振率9.59、与四死球率6.46

<楽天>
松井裕樹(1位)
69.2回、防御率1.94、奪三振率13.82、与四死球率3.23
森原康平(5位)
64回、防御率1.97、奪三振率9.14、与四死球率2.67
青山浩二(大3巡)
53.1回、防御率2.70、奪三振率6.08、与四死球率3.04
ブセニッツ
51回、防御率1.94、奪三振率7.94、与四死球率4.41
ハーマン ※ロッテ移籍
47.1回、防御率3.04、奪三振率9.32、与四死球率3.04
宋家豪
45.1回、防御率2.18、奪三振率7.94、与四死球率4.57

<ロッテ>
益田直也(4位)
58.2回、防御率2.15、奪三振率8.59、与四死球率3.68
酒居知史(2位) ※楽天移籍
57.2回、防御率4.37、奪三振率9.36、与四死球率4.06
チェン・グァンユウ
57回、防御率3.63、奪三振率7.11、与四死球率4.58
東條大樹(4位)
52.1回、防御率3.78、奪三振率9.11、与四死球率4.82

<日本ハム>
玉井大翔(8位)
62回、防御率2.61、奪三振率4.94、与四死球率3.34
堀瑞輝(1位)
60.1回、防御率5.22、奪三振率9.10、与四死球率3.13
石川直也(4位)
54.1回、防御率3.31、奪三振率12.42、与四死球率2.82
公文克彦(4位)
52.1回、防御率3.96、奪三振率5.33、与四死球率3.27
秋吉亮(3位)
51.2回、防御率2.96、奪三振率8.36、与四死球率3.66
宮西尚生(大3巡)
47.1回、防御率1.71、奪三振率9.70、与四死球率1.71
西村天裕(2位)
44.2回、防御率3.83、奪三振率11.08、与四死球率4.63

<オリックス>
増井浩俊(5位)
50.1回、防御率4.83、奪三振率11.44、与四死球率4.47
近藤大亮(2位)
49.2回、防御率3.44、奪三振率11.05、与四死球率4.17
海田智行(4位)
49回、防御率1.84、奪三振率6.06、与四死球率2.39
山田修義(3位)
43回、防御率3.56、奪三振率9.21、与四死球率3.77
※註:大3巡とは分離ドラフト時の「大学人・社会人ドラフト3巡目」のことで、ここでは3位と同じ評価をした。

驚くべきソフトバンク勢の奪三振率。

 奪三振率、与四死球率とは1試合完投(9イニング)したときの奪三振と与四死球を換算したもので、奪三振率は9以上、与四死球率は4未満が一流の目安と言っていい。

 ここで注目したいのが奪三振率だ。リリーフ投手として40イニング以上投げた中で、奪三振率「9」以上を挙げた投手はソフトバンクの6人が最高。以下、日本ハム4人、楽天、オリックス各3人、ロッテ2人、西武1人と続く。ソフトバンクの奪三振率が圧倒的に高いことがわかる。

 奪三振の多さはストレートが速く、勝負球の変化球にキレがある証拠である。ソフトバンクの森、モイネロ、甲斐野、高橋はいずれもストレートは150キロ超え。モイネロ、甲斐野は「160キロに迫る」と形容しなければ凄さが浮き彫りにならない。

 彼ら以外でも実績のある石川柊太、椎野新、松田遼馬、加治屋蓮、川原弘之が150キロを超え、田中正義、杉山一樹、古谷優人、尾形崇斗(育成契約)はそれ以上の速球派である。これらのことから、現代野球に適合した人員をしっかり揃えているソフトバンクが投手力に関しては文句なくナンバーワンと言っていいだろう。

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福岡ソフトバンクホークス
甲斐野央
森唯斗
高橋純平
リバン・モイネロ

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